1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 憲明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10028152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DIETER FICK マールブルク大学, 教授
WOLFGANG TRA GSI, (核物理第3), 研究員
GOTTFRIED MU GSI, (核化学), 教授
ULI LYNEN GSI, (核物理第3), 教授
出水 秀明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50294153)
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Keywords | 放射性ビーム / 短寿命核 / 核偏極 / 超流動ヘリウム / 不純物イオン / スノーボール / 氷球粒子 / 放射線検出法 |
Research Abstract |
超流動ヘリウム中に導入された放射性原子,放射性イオンから創られるマイクロクラスターである氷球粒子(スノーボール)の物理を原子核物理と凝縮体物理の両分野にわたって展開する.大阪大学で芽生えたこの研究は,アルファ線検出法,ベータ線検出法などの完成を見て不純物の検出効率が飛躍的に向上した。また,氷球粒子の芯となるイオンの核偏極が保持されることを世界に先駆けて示すことが出来た。GSIで得られる幅広い種類の高速放射性核ビームを用いて独自の凝縮系核物性物理を発展させる。このさい,スイスのCERNやフランスのGANILでのイオン線に関する実験技術も参考にしている。大阪大学の主導で東工大,GSI,ワイツマン研究所,マールブルク大,ゲッティンゲン大等と協力して放射性マイクロクラスター,超流動ヘリウム中の氷球粒子を用いる核物性研究の実験を行った。 実験は本研究班独自の方法によって,高速の放射性イオンを重イオン反応によって生成し,イオン光学系において収束させたのち,超流動ヘリウムに打ち込みマイクロクラスター,氷球粒子および中性原子を生成する。電場と集団流などによって氷球粒子や原子を搬送しつつ,べ一夕検出法によってそれらを検出する。液体ヘリウム中の素励起密度の変化を創り出しつつ,寿命など氷球粒子と超流動ヘリウムとの相互作用の物理量を計測する方法である。これは主としてGSI(ドイツ)を利用した。 測定した物理量としては,不純物の搬送速度,不純物の生成率,不純物の速度の各種成分の同定とその速度の決定を第1年度に引き続き主目的とした。また,実験技術の調査のため,GANIL(フランス),ワイツマン研究所(イスラエル)の各研究所を討論のため訪ねた。 得られたデータに関する討論をひろくGSI,ボン大学,ドレスデンエ大,マールブルク大などの関連の大学,ワイツマン研究所および大阪大学と東工大の研究者によって行った。
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