1997 Fiscal Year Annual Research Report
放射光の特徴を利用した有機薄膜の定量的紫外光電子分光
Project/Area Number |
09044134
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
上野 信雄 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (40111413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MORIKAWA Eiz ルイジアナ州立大学, CAMD, 助教授
SAILE Volker ルイジアナ州立大学, CAMD, 教授
奥平 幸司 千葉大学, 工学部, 助手 (50202023)
原田 義也 千葉大学, 工学部, 教授 (20013477)
長谷川 真央 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10228447)
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Keywords | 放射光 / 光電子分光 / UPS / 有機薄膜 / 高分子 / ARUPS / 有機半導体 |
Research Abstract |
シンクロトロン放射光の特徴を用いた角度分解光電子分光法を中心として、高分子を含む種々の機能性有機薄膜,表面の分子配向・配列を定量的に決定し、同時にその電子状態に原因する化学的,物理的特性を解明する。これまで得られなかった定量的知見を得ることを目的に研究を行い以下の成果が得られた。 (1)ルイジアナ州立大学放射光センター(CAMD)において、有機薄膜の研究を行える角度分解紫外光電子分光装置を製作し、完成させた。 (2)上記装置を用いて、極めて複雑な系であるポリメチルメタクリレート薄膜の角度分解紫外光電子スペクトルを測定し、スペクトル強度の定量的解析により上記高分子の真空紫外光励起による光化学反応生成物の構造として、側差が消失し、主鎖中に2重結合が生成されることを初めて示した。本結果により、角度分解紫外光電子分光法が新たな化学分析手段として応用分野で有効であることを初めて具体的に示すものである。 (3)スペクトルの強度解析法を米国側に移植するために、分子科学研究所においても共同実験とデータ解析を実施した。 この過程の中で、塩化アルミニュームフタロシアニン超薄膜の光電子角度分布が温度に大きく依存することを見出した。
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[Publications] N.Ueno: "Angle-resolved UPS of thin films of bis(1,2,5-thiadiazolo)-p-quinobis (1,3-dithiole) on the MoS_2 surface" J.Chem,Phys.107. 2079-2088 (1997)
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[Publications] N.Ueno: "Site-specific chemical-bond scission in PMMA by inner shell excitation" Jpn.J.Appl.Phys.36・12B. 7605-7610 (1997)
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[Publications] Y.Azuma: "Angle-Resolved UPS of Thin Films of Perylene-3,4,9,10-Tetracarboxylic-Dianhydride on MoS_2" J.Synchrotron Radiation. (印刷中). (1998)
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[Publications] Y.Azuma: "Angle-Resolved Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy of Thin Films of Chloroalminum Phthalocyanine on MoS_2" J.Synchrotron Radiation. (印刷中). (1998)
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[Publications] K.K.Okudaira: "Radiation Damage of Poly(metylmethacrylate)Thin Films Analyzed by UPS" J.Electron Spectroscopy&.Related Phenom.(印刷中). (1998)
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[Publications] K.K.Okudaira: "Photoemission study of pristine and photo-degraded poly(methyl methacrylate)" J.Appl.Phys.(印刷中). (1998)