1998 Fiscal Year Annual Research Report
細胞近傍のミクロ流れによる能動制御と生体内マクロ流れとの動的連結性
Project/Area Number |
09044180
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷下 一夫 慶応大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 弘祐 北里大学, 医学部, 講師 (70153632)
津崎 晃一 慶応大学, 医学部, 講師 (90138107)
岡 浩太郎 慶応大学, 理工学部, 助教授 (10276412)
山田 寛幸 慶応大学, 医学部, 助手 (90182550)
池田 満里子 慶応大学, 文学部・生物学, 教授 (00051368)
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Keywords | 生物流体力学 / 細胞力学 / ミクロ流れ / バイオメカニクス / 呼吸力学 / 動脈内流れ / 物質移動 |
Research Abstract |
生体は分子細胞レベルの現象が統合されてある特定なマクロの機能を生み出している。即ち様々なレベルでの現象の条件変化に適応してある適切な生体運動を行っている。このような生体・生命活動を維持するために生体内外の流れが重要な役割を果たしている。そこで生体活動を支える流れの現象について流体力学を中心として、固体力学、生理学、細胞生物学、呼吸循環器学的視点から国内外の研究者が共同研究を行い、密接な討論及び情報交換を重ねる必要があり、国際的な共同研究を行った。平成10年8月に札幌市にて本共同研究の研究会を開催し、特に呼吸系の力学、動脈内の流れと輸送現象、内皮細胞の力受容機構に関して討論を行った。呼吸系の力学は肺気道の開口、気道表面の界面活性剤による影響、気道内の微粒子の運動と壁への付着、気道内の振動流及びガス輸送、小気道や肺胞の力学モデルなどについて議論された。動脈内の流れでは、実際の動脈の形状や力学的性質を考慮にいれたモデルの開発、血管病変の治療を目的とした動脈内流れの解析などにように、生体側の状況を十分にとりこんだ研究が重要で、特に臨床的に有用な知見が得られるとして、臨床医学者との協力がさらに必要であるとされた。一方、内皮細胞のレベルでの微視的な現象が次第に明らかにされており、動脈の力学はまさにミクロからマクロに至る見解を統合して考えることの重要性が指摘された。この点は正に本研究の目的であり、国際的な共同研究により、生体に関わる流れの問題の捉え方に著しい進展が見られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 谷下一夫ほか: "培養内皮細胞の高分子取りこみに及ぼす壁せん断応力の影響" 日本機械学会論文集. B64. 367-374 (1998)
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[Publications] 谷下一夫ほか: "壁せん断応力による培養内皮細胞の代謝依存的な高分子取りこみ変化と細胞内組粒との関係" 日本機械学会論文集. B64. 2123-2131 (1998)
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[Publications] Tanishita,et al.: "Angmentation of axial dispersion by intermittent oscillatory flow" Trans.ASME,J.of Biomech.Eng.120. 405-415 (1998)
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[Publications] Redley,T.J.: "Alteration of Mean Wall.Shear Stress neas on Oscillating Stagnation Point" Trans.ASME,J.of Biomech.Eng.120. 227-237 (1998)
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[Publications] Kamm,R.D.: "Pulmonary Fluid Mechanics" Third World Congress of Biomechanics. 4 (1998)
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[Publications] Schroter,R.C.: "A model of lung alveolar mechanics" Third World Congress of Biomechanis. 70 (1998)