1999 Fiscal Year Annual Research Report
女性のライフサイクルから見た教育課題に関する日中共同研究:少子化・高齢化への対応
Project/Area Number |
09045009
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
渡部 和彦 広島大学, 教育学部, 教授 (20057699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥光 美緒子 広島大学, 教育学部, 助教授 (10155608)
岡本 祐子 広島大学, 教育学部, 助教授 (90213991)
平田 道憲 広島大学, 教育学部, 助教授 (30111660)
金 龍哲 広島大学, 教育学部, 助教授 (20274029)
松尾 千秋 広島大学, 教育学部, 助教授 (60116671)
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Keywords | 女性 / ライフサイクル / 健康 / アイデンティティー / 少子化 / 高齢化 / 中国 / 日中 |
Research Abstract |
本年度は、三カ年の研究をまとめる年度にあたり、中国の北京師範大学において、研究の取りまとめのための研究協議をおこなった。すなわち、以下の四つの研究班における個々の研究課題における内容を確認し、全体的な協議を行った。以下にその概要を示す。 「女性のライフサイクルと運動:健康・運動に対する意識調査より」の研究班では、日中の比較において、日本側が20-40才代にかけて身体運動の実施が多いのに対して、中国側では、50-70才代において多かったことを指摘した。また、中国女性の比較的若い世代では運動の機会が少ないこと場所が無いこと等があげられた。一般に女性の方が自分のための時間を運動のために割くことが困難で、とくに中国の女性は運動環境の整備不足を感じており、友人や仲間との交流の機会が少ない状況が知られた。 「生活時間の日中比較研究」班では、年代別の職業労働と家事労働の時間をみると職業労働時間は、20代で最長だが、両者を合わせた総労働時間では最も短く、30-40代では、家事労働時間が長いことを指摘した。家事労働に関しては、共同でするが約80%、妻がするが10%であった。日本の有職女性との比較では、北京の女性の方が職業労働時間が長く家事労働時間が短い傾向であった。 「青年・成人女性のライフコースとアイデンティティ発達に関する日中比較研究」班においては、性役割特性を分析した。すなわち、中国人は男性性、女性性、人間性ともにアイデンティティ葛藤が少ないことが示された。中国人は、日本人よりも、社会・近隣・家族の人間関係を自分らしい生き方の重要性を認める傾向があった。 「少子化問題に対する教育学的対応の日中比較」研究班では、方法論としての社会構築主義的考察、日本における少子化問題と中国における一人っ子教育問題との対比を論及した。
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