1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09045014
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
藤善 真澄 関西大学, 文学部, 教授 (60067585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 慶市 関西大学, 文学部, 教授 (60115293)
高橋 隆博 関西大学, 文学部, 教授 (70188019)
松浦 章 関西大学, 文学部, 教授 (70121895)
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Keywords | 華南 / 福建 / 福州 / 泉州 / 廈門 / 福清 / 晋江 / 日中関係史 |
Research Abstract |
初年度には山東半島より連雲港に至る華東の沿海地域および近世琉球王朝の使節が往来した連雲港-淮安ルートに加え、遣唐使以来利用されてきた淮安-揚州-鎮江-南京ルートの諸地域を調査し、すでにいくつかの成果を発表した。中国の研究協力者が研究調査に来日した昨年度に続き、最終年度にあたり華南地域の中、隠元・鄭成功に象徴される日中関係史の宝庫、福建省の沿海地域を中心に遺跡・文献等の調査を実施した。10月5日より同12日にかけて班長以下の4名に美術・建築の研究者各1名を同行し、福州・福清・泉州・晋江・廈門をめぐり多くの収穫を得た。泉州では閲台関係史博物館・古船博物館のほか海外交通史博物館を訪れ、館長の王連茂氏ほかと学術交流の場を持てた。福州では福州博物館ののち福建師範大学を訪れ、かねて依頼した予備調査の礼を述べ謝必震、方宝川、林国平教授らと、今後の日中関係史における福建省の役割と展望について意見を交換した。 福清は隠元の故郷として、また最近は蛇頭の問題で有名となったが、黄檗山周辺の調査と再建間もない萬福寺を見学。住民の協力を得て豪農の故居および建築様式を詳細に見ることが出来た。また廈門では廈門大学人類博物館において歴史研究所々長の揚国棹、歴史系主任陳支平ならびに研究調査を支援している韓昇教授らと学術討論を行い、今後の日中関係史には沿海地域のみでなく内陸部にもメスを入れるべき示唆と資料提供を受けた。調査協力、学術交流の継続を約し有意義であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤善 眞澄: "成尋と杭州寺院一参天台五臺山記箚記3-1"関西大学東西学術研究所紀要. 33輯. 19-31 (2000)
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[Publications] 松浦 章: "朱印船の中国・朝鮮漂着をめぐって"南島史学. 55号. 1-19 (2000)
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[Publications] 松浦 章: "清代雍正期の童華『長崎紀聞』について"関西大学東西学術研究所紀要. 33輯. 33-52 (2000)
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[Publications] 高橋 隆博: "筥・櫛筥・手筥-手筥の成立をめぐって-"駸々堂 『手筥(蒔絵研究会編)』. 7-105 (1999)
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[Publications] 内田 慶市: "「黒茶」から「紅茶」へ-『六合叢談』にみえる「紅茶」"白帝社『六合叢談』の学際的研究. 71-93 (1999)
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[Publications] 王 勇: "遣唐使人の容姿"アジア遊学. 4号. 183-191 (1999)