1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09045077
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | University-to-University Cooperative Research |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
天笠 光雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00014332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 英治 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20221541)
岩城 博 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70107308)
吉増 秀實 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (70137933)
高木 実 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (30014012)
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Keywords | 口腔白板症 / 前癌病変 / 悪性潜在能 / high risk group / 臨床型 / 上皮性異形成 |
Research Abstract |
白板症は口腔粘膜の代表的な前癌病変とされ、5〜10%の悪性化率が報告されている。口腔白板症の発生部位、臨床像、病理組織像、発生誘因などを悪性化との関連でとらえ、日本とデンマークとで比較し、高い悪性潜在能をもつグループ(high risk group)を明確にすることが本研究の目的である。この共同プロジェクト実施のための東京医科歯科大学歯学部とコペンハーゲン大学歯学部との合同会議をコペンハーゲンにおいて開催した。会議では日本とデンマークにおける症例の臨床像および病理組織像をそれぞれ呈示し、臨床型の分類や呼称、上皮性異形成の程度の判定に関してコンセンサスを得た後、共同の調査項目を設定し、共通のプロトコールの作成をおこなった。『口腔白板症プロトコール』は以下の項目を含むものとした。性別、年齢、主訴、初発症状、病脳期間、発生部位、大きさ、境界明瞭度、臨床型、カンジダ菌感染の有無、喫煙・飲酒その他の生活習慣、機械的刺激因子、上皮性異形成の程度とその推移、LCP分類、治療法、治療結果、悪性化までの期間。発生部位に関して、本邦では舌と歯肉が白板症の好発部位とされるが、デンマークでは歯肉症例は希であり舌に多いことから、舌をさらに舌縁部、舌下面、舌背部に区分した。大きさ、臨床型、上皮性異形成の程度、LCP分類については1994年のinternational collaborative group on oral white lesionsのガイドラインに従った。またコペンハーゲン側からの提案により白板症表面におけるカンジダ菌の検出を行うこととした。これはカンジダ菌の除菌により白板症の臨症型が変化したというデンマークの報告に基づいている。今後この『口腔白板症プロトコール』をもとに、できるだけ多数の白板症症例を両国で集積し、癌化症例に共通する所見を検索し、悪性化を防止しうる最良の治療法を検討する。
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