物質環境を記述する数理モデルの構築と地域ゼロエミッション化の予測および評価

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09247104
• Research Institution: Toyohashi University of Technology
• Principal Investigator: 藤江 幸一 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30134836)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森 俊介 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80147503) ; 花木 啓祐 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00134015) ; 原科 幸彦 東京工業大学, 工学部, 教授 (20092570) ; 胡 洪営 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30262976) ; 宮田 譲 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20190796)
• Keywords: ゼロエミッション / 地域物質循環 / 廃棄物 / リサイクル / LCA / 物質循環データベース / 産業間ネットワーク / 数理モデル

Research Abstract

本研究課題では、環境へのエミッションの低減と、資源・エネルギーの有効利用をめざして、1)地域における生産、消費と廃棄を含む物質フローを解析し、2)エミッション低減のための対策の方向と、3)様々なエミッション低減対策の実効性・経済性を評価するとともに、4)エミッション低減のために求められる生産技術及びプロセスの開発と選択及び、5)ゼロエミッションを推進するための社会的支援の手法を明らかにすること等を目的として研究を行っている。
特定地域として愛知県に着目し、地域での原材料→製品→廃棄物を中心とした物質フローと産業構造等との相間間係(藤江、胡)、物質循環活動の推進が地域経済に与える影響(宮田)について明らかにした。技術オプションの選択手法として、焼却灰からセメント原料・タイルを製造する場合の資源消費と環境負荷の評価(花木)、複数の産業にまたがる技術・プロセスに着目し7、鉄鋼、セメン卜紙パルブ産業について物質フローモデルを作成し省エネルギー技術、リサイクル技術の評価(森)を行った。。物質フローを記述する数理モデルを構築し、シミュレーション実験を行うことによって、各種対策のエミッション低減効果の予測や、大きなエミッション削減を期待できるプロセスや産業間ネットワークを示すことができる。モデル開発とそれに向けて物質フローのデータベースを構築した(迫田)。社会的支援法として、戦略的環境アセスメントによる地域ゼロエミッション計画の評価手法の開発(原科)、総合的環境品質管理による営利企業がゼロエミッションを進んで採用するような政策の検討(長沢)、ゼロエミッション型社会構築への法的政策的支援手法の検討(柳)を行った。加えて、電化製品をはじめとした工業製品のLCA(稲葉)および食糧生産における地球規模での窒素循環(川島)の解析も並行して進行している。

Research Products

• [Publications] 藤江幸一: "ゼロエミッションを目指したデータベースの構築と地域物質収支" 化学工業. 50(2). 89-95 (1999)
• [Publications] 藤江幸一: "地域ゼロエミッション化をめざした物質収支の解析と物質循環モデルの構築" The 3rd Zero Emissions Network UNU Conference. 3(3). 2-3-2-10 (1998)
• [Publications] Koichi Fujie: "Analysis of Respiratory Quinone in Soil for Characterizatior of Microbiota" Soil Science and Plant Nutrution.44(3). 393-404 (1998)
• [Publications] 藤江幸一: "農耕地土壌における有機物の挙動および物質収支の解析" 用水と廃水. 40(5). 409-413 (1998)
• [Publications] Koichi Fujie: "Effect of Drying Treatment on the Respiratory Quinone Profile in soil" Soil Science and Plant Nutrition. 44(3). 467-470 (1998)
• [Publications] 藤江幸一: "地域ゼロエミッションを目指した物質収支の解析" 環境科学会1998年会講演要旨集. 245 (1998)
• [Publications] 宮田 譲: "物質環境を考慮した環境経済一般均衡分析" 土木計画学研究・講演集. 21. 665-668 (1998)
• [Publications] 宮田 譲: "二酸化炭素排出問題の動学一般均衡分析" 土木計画学研究・講演集. 21. 673-676 (1998)
• [Publications] 宮田 譲: "An Intertemporal General Equilibrium Analysis of CO2 Emissions in Japan" 11th European Advanced Studies Institurein Regional Science. 1-15 (1998)
• [Publications] 宮田 譲: "An Intertemporal Gneral Equilibrium Analysis of the Waste-Economic Interaction" 11th European Advanced Studies Instirutein Regional Science. 1-20 (1998)
• [Publications] 宮田 譲: "廃棄物ゼロエミッションを目指した地域経済システムの可能性" 環境科学会1998年会講演要旨集. 250 (1998)
• [Publications] 宮田 譲: "廃棄物対策の経済的影響分析-CGEモデルアプローチ-" 土木計画学研究・論文集. 15. 305-316 (1998)
• [Publications] Hong-Ying Hu: "Development a Novel Solid Phase Extraction Method for the Analysis of Bacterial Quinones in Activated Sludgewith a Higher Reliability" J.Ferment.Bioeng.(Accepted).
• [Publications] 胡 洪営: "下水処理場におけるエネルギー消費と物質フローの現状解析" 用水と廃水. 41(2). 25-31 (1999)
• [Publications] Hong-Ying Hu: "Concepts and Methodologiesto Minimize Pollutant Discharge for Zero-emission Production" Water Sci.Tech.(Accepted).
• [Publications] Hong-Ying Hu: "Quantitative Analyses of the Change in Microbial Diversity in a Bioreactor for Wastewater Treatment based on Respiratory Quinones" Wat.Res.(accepted).
• [Publications] 原科幸彦: "企業のビジネスに関わる環境保全活動におけるNGOの役割に関する研究" 環境情報科学. 別冊. 1-4 (1998)
• [Publications] 原科幸彦: "地域ゼロエミッション計画の評価方法の開発" 環境科学会1998年会講演要旨集. 81. 248 (1998)
• [Publications] 原科幸彦: "万博は環境と共生できるか アセス法を評価する" 科学. 68(8). 616-619 (1998)
• [Publications] 花木啓祐: "都市開発と都市活動の維持における物質フロー解析" 環境科学会1998年会講演要旨集. 81. 247 (1998)
• [Publications] 花木啓祐: "エネルギー・資源循環型都市構造と機械工学 循環型都市における生態系との調和と共存" 日本機械学会誌. 101(95). 229-231 (1998)
• [Publications] 花木啓祐: "もっと環境にやさしく 循環型社会の実現と下水熱エネルギーの利用インフラ整備に対するライフサイクルアセスメント" 月刊下水道. 21(11). 10-15 (1998)
• [Publications] 森 俊介: "品質別古紙リサイクルモデルの構築と評価" システム/情報合同シンポジウム講演要旨集. (1998)
• [Publications] 森 俊介: "廃棄物有効利用による環境対策評価のための産業関連エネルギー経済モデル" 平成10年度電気学会全国大会. (1998)