2000 Fiscal Year Annual Research Report
個々のプロセスにおける現状の物質フローの解析と、それに基づくゼロエミッション化
Project/Area Number |
09247106
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 正和 群馬大学, 工学部, 教授 (40008446)
笠倉 忠夫 豊橋技術科学大学, エコロジー工学系, 教授 (30283485)
海野 肇 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (10087471)
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)
中村 和憲 経済産業省工業技術院生命工学工業技術研究所, 総括研究調査官
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Keywords | 醤油粕 / ゼロエミッション / 乾留 / 加圧熱水処理 / 熱回収 / 糖回収 / 脱塩処理 |
Research Abstract |
平成12年度は、醤油製造プロセスのゼロエミッション化の要素技術として乾留および加圧熱水処理を重点的に検討した。 1.乾留処理 醤油粕の乾留は523Kから進行が確認され、乾留温度の上昇と共に生成ガス体積が大きくなった。生成ガスの組成は乾留温度と共に変化し、温度の上昇と共にCO、CH_4などの可燃性ガスの割合が高くなった。また、乾留操作時における物質収支を炭素、窒素、塩素、リンについて検討した。その結果、炭素は54%が凝縮液に移行し、ガス化するのは14%であること、窒素は45%が凝縮液に移行し、ガス化はほとんど起こらないこと、塩素およびリンについては乾留操作後もチャー中に93%以上残留し、チャーを水洗することにより塩素は洗浄水に100%移行するがリンは82%がチャー中に残留することが明らかになった。このため、塩分濃度が高く、肥料として適さなかった醤油粕を乾留処理して水洗することにより脱塩し、肥料として再資源化することが可能であると考えられる。 2.加圧熱水処理 醤油粕中には糖質および繊維質が32%含まれており、糖として回収できれば再資源化できると考えられる。このため、醤油粕の煮沸処理を行ったが全糖基準の糖回収率は8%であった。そこで、加圧熱水処理を行ったところ、処理温度が423〜448Kでは反応時間60分と長時間処理を行っても醤油粕に含まれる糖質および繊維質のうち12%しか回収できなかった。さらに処理温度を上げて473〜498Kで検討したところ、糖回収率が2.2倍になった。しかし、処理温度を523Kとしたところ、反応時間を設定温度到達後0秒としても糖の過分解が著しく進行して回収率が大きく減少した。なお、30MPa以下の圧力では、圧力は回収率にほとんど影響を及ぼさなかった。これらことから、加圧熱水処理により醤油粕から糖を回収するには473〜498Kが操作し易いと考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 羽野忠,平田誠,高梨啓和: "醤油製造プロセスにおける物質フローの解析と醤油粕の乾留再資源化"環境科学会誌. (印刷中).
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[Publications] Hirata M.,H.Takanashi,T.Hano et al: "Kinetics of Lactic Acid Extraction with Quaternary Ammonium Salt"Separation Science and Technology. (in press).
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[Publications] Takanashi H.,M.Hirata,T.Hano, et al: "Method for Measuring Mutagen Formation Potential (MFP) on Chlorination as a New Water Quality Index"Water Research. (in press).
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[Publications] Hano T.,M.Hirata,H.Takanashi et al: "Preparation of Metal-Silicate Microballons with Liquid Surfactant Membrane"Solvent Extraction for 21st Century (Soc.of Chem.Ind.). (in press).
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[Publications] Hirata M.,H.Takanashi,T.Hano et al: "Extractive Recovery of Boron in Wastewater from Coal Thermal Power Plant"Solvent Extraction for 21st Century (Soc.of Chem.Ind.). (in press).
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[Publications] Hirata M.,H.Takanashi,T.Hano et al: "Contribution of Water in Extraction and Stripping Kinetics of Lactic Acid with Tri-n-Octylmethylammonium Chloride"Solvent Extraction Research and Development, Japan. (in press).
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[Publications] 羽野忠,平田誠,高梨啓和: "ゼロエミッション型産業をめざして-産業における廃棄物再資源化の動向-"シーエムシー. 350 (2001)