1999 Fiscal Year Annual Research Report
仏教文献にみるアジア多言語資料の電子データ化と思想史研究
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09301001
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Research Institution | Otani University |
Principal Investigator |
宮下 晴輝 大谷大学, 文学部, 助教授 (70148360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 裕 大谷大学, 文学部, 助教授 (70288017)
木村 宣彰 大谷大学, 文学部, 教授 (80103117)
庄垣内 正弘 京都大学, 文学部, 教授 (60025088)
柴田 みゆき 大谷大学短期大学部, 講師 (50321063)
加来 雄之 大谷大学短期大学部, 助教授 (10214264)
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Keywords | スキャナ / 量子化誤差 / 円形ズームレンズ / シリンドリカルレンズ / CCD / 分解能 / 明度 / 色調 |
Research Abstract |
本年度は、北京版チベット大蔵経の画像データの電子化に関するスキャニングの研究を精力的に進めた。その研究内容は、(1)現在のスキャニング技術の調査による最適なスキャナの選択基準の検討と、(2)実際のスキャニングによる検定手法の確立、そして(3)本資料の実際のスキャニングによるスキャナの選定検証、の3部分からなる。 本年度の研究結果によれば、光学的に任意の解像度と露出調整が可能な円形ズームレンズ型CCDフラットベットスキャナが最適であると判明した。 検定には、線分分解能をチェックするために極細線を印字した検定用紙を作成し、明度・色調をチェックするためのカラー・チャートとグレイ・スケールと共に、同条件で撮影した本資料のファイルを用いた。スキャナ性能の比較検討のため、光学的に調整不能のシリンドリカルレンズ型(4096×6144ピクセルが限界性能のもの)と、円形ズームレンズ型(5300DPI)のCCDフラットベットスキャナを使用した。 分解能チェックは、円形ズームレンズ方式では、予想された量子化誤差はあるが解像可能であるのに対し、シリンドリカルレンズ方式では、エッジ領域を含め解像不能であった。明度・色調チェックは、両方式ともに再現不能で、ソフトウェアによる補正が必須であり、補正後の比較では、シリンドリカルレンズ方式では量子化誤差が大きく解像不能であった。特に本資料についての比較検討では、最細線部分(実大0.4mm)において、シリンドリカルレンズ方式では量子化誤差により文字が判読不能となる個所が生じた。一方、円形ズームレンズ方式では、量子化誤差はあるが判読可能であった。 来年度は、高精度高再現性表示に関する研究をすすめる予定である。本研究のもう一つの柱であるソフトウエアの開発研究は十分な進展が見られなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 柴田 みゆき,箕浦 暁雄,片岡 裕,宮下 晴輝: "北京版チベット大蔵経の高再現性デジタル画像化:高精度スキャニング過程"情報処理学会研究報告. Vol.99,No.59. 43-50 (1999)
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[Publications] 柴田 みゆき,箕浦 暁雄,片岡 裕,宮下 晴輝: "北京版チベット大蔵経のデジタル画像化"情報処理学会第59回全国大会講演論文集(4). 分冊4. 315-316 (1999)
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[Publications] 片岡 裕: "高精度デジタル画像の高再現性表示"京都大学大型計算機センター第64回研究セミナー. 12 (2000)