2000 Fiscal Year Annual Research Report
現代農村における高齢者の生活補完システムに関する実証的研究
Project/Area Number |
09301006
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
松岡 昌則 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70111242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 三三 弘前大学, 教育学部, 教授 (00048597)
木村 純 北海道大学, 高等教育機能開発センター, 助教授 (90153212)
小林 甫 北海道大学, 文学部, 教授 (90002146)
松村 和則 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70149904)
今野 裕昭 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (80133916)
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Keywords | 農村高齢者 / 生活補完システム / 村落生活 / ソーシャル・ネットワーク / 高齢化 / 農業経営 |
Research Abstract |
現代農村における高齢者は日常の、そして緊急の、さらには困ったときのネットッワークを、親戚や近隣から自治体内・近隣市町村まではりめぐらせている。しかし、生きがいや楽しみの保障といった生活満足を日常的な社会関係で補完するためには、個人の私的ネットワークへの過度な期待ではなく、住民の組織的な対応が必要となってきている。すなわち、緊急対応や日常的な声かけ、見守り、訪問、話し相手を行う住民のネットワークが身近な小地域を基盤として広くつくられてきており、それは家族や親族、あるいは友人といった私的なネットワークを補完するものとして高く評価され、他のさまざまな援助への展開が期待されている。とくに一人暮らしや夫婦のみ高齢者世帯の急速な増加、そして後期高齢者の増加は地域における介護力の向上を求めている。 そこではさまざまな社会参加や仲間活動を通して生活の充実をはかることが求められるが、今日ではやはり村落組織・集団としての対応が不可欠である。とくに近隣組機能の拡充は有効な手段といえる。そして婦人会や青年団、消防団等の村落集団と連携・調整をはかりつつ、生活保障の外枠として村落が機能し、共同社会性が維持されることが望ましい。それは個人的対応と組織的対応の融合であり、村落としての組織的対応に個人的な日常の行き来の延長にある善意が組み込まれることを意味し、生活をお互いに補完しあうシステムとして定着することができる。
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