国際化・規制緩和下における「企業集中と法」の総合的研究-実態面を中心とした法社会学的研究-

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09302002
• Research Institution: Junior College, Kanagawa University
• Principal Investigator: 正田 彬 神奈川大学短期大学部, 教授 (10051137)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高橋 岩和 神奈川大学短期大学部, 教授 (30281562) ; 古城 誠 上智大学, 法学部, 教授 (80013027) ; 金井 貴嗣 中央大学, 法学部, 教授 (50102877) ; 舟田 正之 立教大学, 法学部, 教授 (60062676) ; 土田 和博 早稲田大学, 法学部, 教授 (60163820)
• Keywords: 企業集中 / 企業系列 / 自動車産業 / 生産系列 / 流通系列 / 金融持株会社 / 株式所有 / 企業合併

Research Abstract

日本経済の国際化には、近年目覚ましいものがある。それに伴い、日本の法制度の国際的な平準化も徐々にではあるが進みつつある。企業集中・企業結合法制に関しても、事業支配力の過度集中とならない持株会社の容認や、生産および流通の系列に対する規制強化など、法規制の国際平準化への動きがみられる。
本研究は、1)製造業と流通業における企業系列の再編成の実態把握と法規制のあり方を検討すること、2)金融・保険業の規制緩和を含めて株式所有、合併などによる企業集中・企業結合の実態把握と独禁法などによる規制のあり方を検討することを課題としている。
本年度は、一昨年度および昨年度に引き続き自動車産業をとりあげ、生産と流通における企業系列の再編成の実態と対応する法規制の現状を、アメリカ、ドイツおよびフランスとの比較において把握することを主たる課題とした。具体的には、欧米の自動車産業の生産と流通の構造を日本との比較において調査・研究するため、日本の代表的メーカーについて生産と流通の構造の近時の急激な変化についてヒアリングを継続した。
また欧米の研究上のパートナーとの相談と討議を行う目的で、ドイツおよびアメリカに一昨年度および昨年度に引き続き出張した。この過程では各国の主要な自動車会社と部品会社ならびに販売会社の事業の実情の一層の把握にも努めた。
さらに、持ち株会社、株式所有、合併といった企業集中・企業結合について、近時の実例の把握に引き続き努めるとともに、欧米の独禁法を含めた法制の研究を進めるために研究会を継続して開催した。

Research Products

• [Publications] 稗貫俊文: "技術取引に関する独占禁止法上の新指針の検討-独禁法23条論を中心に-"公正取引. 通巻588号. 13-19 (1999)
• [Publications] 古城誠: "日本における規制緩和の理念と到達点"ジュリスト. No.1161. 58-63 (1999)
• [Publications] 金井貴嗣: "競争政策の新たな展開"法律時報. Vol.71,No.11. 4-9 (1999)
• [Publications] 山部俊夫: "市場集中規制の新展開"法律時報. Vol.71,No.11. 18-23 (1999)
• [Publications] 土田和博: "垂直的価格制限をめぐる諸問題"法律時報. Vol.71,No.11. 24-30 (1999)
• [Publications] 江口公典: "独占禁止法と競争秩序"法律時報. Vol.71,No.11. 38-41 (1999)
• [Publications] 正田彬: "経済法講義"日本評論社. 334 (1999)
• [Publications] 江口公典: "上智大学法学叢書「経済法研究序説」"有斐閣. 320 (2000)