1999 Fiscal Year Annual Research Report
太陽活動極小期における反陽子宇宙線の精密測定とその起源の決定
Project/Area Number |
09304033
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野ざき 光昭 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10156193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 哲也 高エネルギー加速器研究機構, 素数子原子核研究所, 助教授 (50222394)
折戸 周治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10092173)
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Keywords | 宇宙線反陽子 / 気球搭載観測装置 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,宇宙線反陽子のエネルギースペクトルを測定した。今年度1回目のフライトでは,気球の予期せぬ破裂により観測を中断せざるを得なかったが,湖に着水した測定器を回収し応急修理を行って2回目のフライトを成功させることができた。残留大気4g/cm2の高度約38kmというこれまで最高の高度に到着し,33時間と過去最長の気球観測を行い,宇宙線データを取得した。今年度の観測では気球上昇中にもデータ収集を行い,大気の各高度におけるミューオンを観測した。データは現在解析中である。予備解析によれば,今年度の改良の結果,700例程度の反陽子が検出されており,エネルギースペクトラムの精度の向上が期待される。また乗鞍山頂の東京大学宇宙線研究所で宇宙線観測を行った。これにより大気ニュートリノのフラックス計算を向上させることができると期待される。 今年度は新しい環境モニターシステムを試験的に搭載し,旧システムと併用した。新システムが実際の気球観測において所期の性能を発揮したので,すべてを新システムに置き換えるべく来年度の観測に向けて必要な台数を製作した。
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