1998 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリートひび割れ界面における化学・物理吸着特性の解明と透水・透気メカニズム
Project/Area Number |
09305031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田辺 忠顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50144118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
氏家 勲 愛媛大学, 工学部, 講師 (90143669)
石川 靖晃 名城大学, 理工学部, 講師 (00257651)
大下 英吉 中央大学, 理工学部, 助教授 (40253108)
遠藤 孝夫 東北学院大学, 工学部, 教授 (90265182)
佐藤 良一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (20016702)
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Keywords | ミクロ空隙 / メゾ空隙 / マクロ空隙 / 吸着拡散速度 / 吸着外拡散速度 / 浸透係数 / 表面形状 / メゾ・マクロ空隙の空間分布 |
Research Abstract |
本研究はひび割れも含めてひび割れの初期応力による発生機構の解明とそのひびわれ網を通じて水分あるいは気相成分如何に拡散浸透するか、界面の化学・物理吸着のメカニズムを考慮しつつ、時間のdimentionの中での解明をあきらめる事であった。 (1) 研究の結果、ひび割れど称する欠陥は、ミクロ空隙(ナノメータ〜ミクロメータ)、メゾ空隙(ミクロメータ〜数十ミクロメータ)、マクロ空隙(数十ミクロメータ以上)に分類され各空隙クラース毎に吸着拡散速度と吸着外拡散速度が存在するようである。マクロ空隙で幅が0.05mm以上であれば吸着外拡散については層流を仮定してDarcy則が成り立っているようである。 0.05mm以下のマクロ空隙における吸着外拡散については、浸透係数がひび割れ幅依存になってくる。今回の研究ではひび割れ幅依存となるときの、実験結果が余り多くとれずその部分のモデル化には至っていないが、本研究の延長で間もなく解決されうる。 (2) ミクロ空隙とメゾ空隙は多くの場合、コンクリートの配合や打設方法などに依存しており、その空間分布や、表面特性を直接的に計ることは出来ない。しかしメゾ〜マクロ空隙については、表面形状解析装置を通じて表面特性を把握することが出来た。 その各種の表面形状時の流失実験から(1)の結論を導いている。メゾ・マクロ空隙の空間分布についても今後実験を進め、何らかの結論を得る予定である。 (3) 吸着拡散については、吸着実験装置を活用して新たに水分気相の相対圧依存の拡散係数を求めることが出来た。これは従来化学工学分野でも求められておらず、貴重な実験データである。この化学吸着は空隙径ごとにメニスカスを生じていたりいなかったりするのを全部含めての拡散係数であって、不飽和空隙中の吸着拡散係数と呼ぶことが出来る。 (4) 全体的な結論として、ミクロ・メゾ・マクロのひび割れの空間分布を正確に求めることが出来て、その空隙に生じている化学吸着、吸着外流れを適切にモデル化すれば複雑な多孔体内の気相液相拡散現象を数値解析できで、多くの実用技術に生かせることが出来よう。本研究ではその大きな見通しを得たと言って良い。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 田辺 忠顕: "モルタル細孔における化学吸着と吸着速度に関する理論的研究" コンクリート工学年次報告集. (発表予定)21. (1999)
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[Publications] 佐藤 良一: "高強度コンクリートの収縮に及ぼす乾燥の影響の定量評価について" コンクリート工学年次報告集. (発表予定)21. (1999)
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[Publications] 遠藤 孝夫: "非貫通ひび割れを有するコンクリートの水密性評価法の検討" コンクリート工学年次報告集. (発表予定)21. (1999)
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[Publications] 大下 英吉: "セメントペーストの微細空隙内における水の吸脱着に関する研究" コンクリート工学年次報告集. (発表予定)21. (1999)
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[Publications] 石川 靖晃: "繰り返し圧縮載荷を受ける水の体積弾性係数に関する実験的検討" コンクリート工学年次報告集. (発表予定)21. (1999)
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[Publications] 氏家 勲: "ひび割れ表面粗さとひび割れ部の透気性・透水性に関する研究" コンクリート工学年次報告集. (発表予定)21. (1999)