1997 Fiscal Year Annual Research Report
海洋コンクリート構造物の劣化過程と寿命予測に関する研究
Project/Area Number |
09305032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮川 豊章 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80093318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尼崎 省二 立命館大学, 理工学部, 教授 (60066743)
川東 龍夫 近畿大学, 環境科学研究所, 助手 (10140310)
井上 晋 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (30168447)
小林 孝一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20283624)
服部 篤史 京都大学, 工学研究科, 助手 (30243067)
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Keywords | 海洋コンクリート / 繊維補強コンクリート / 塩害 |
Research Abstract |
建設材料としての新材料の一つである繊維補強コンクリートについて、塩害による劣化損傷の進行状況および耐久性の調査を目的とし、鋼繊維、ガラス繊維およびビニロン繊維の各繊維補強コンクリートを海洋構造物として適用する場合の耐久性に関する調査研究の一つとして暴露試験を実施している。海洋環境の耐久性を検討する自然条件としては、最も過酷な条件である飛沫帯を暴露環境としている。暴露開始後12年を経過し、一部撤去した供試体の非破壊および破壊試験に関するデータを得た。 超音波伝播速度には大きな変化は見られていない。コンクリートそのものは化学的な浸食を受けず、コンクリート自身の腐食劣化はそれほど進行していないものと考えられる。 中性化深さは、鋼繊維補強コンクリートでは全周囲にわたって比較的均一に進行したのに対し、ガラスおよびビニロン繊維補強コンクリートでは局部的な進行が散見された。特定の方向に配向されたストランド状繊維の影響を受け、繊維中もしくはそれに沿って空気や水分が供給されることによるものと考えられる。 塩分や炭酸ガスの異物浸入という観点からは、鋼繊維補強コンクリートは有用であり、防食効果ないし腐食抑制には効果を有すると考えられる。 鋼繊維補強コンクリートおよびビニロン繊維補強コンクリートでは、強度およびタフネスの低下はほとんどない。一方、ガラス繊維補強コンクリートは強度は若干低下するとともに、靭性はまったく失われていた。
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