1998 Fiscal Year Annual Research Report
高い持続的生産力をもたらす放牧草地生態系の動的構造の解明
Project/Area Number |
09306018
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
山村 靖夫 茨城大学, 理学部, 助教授 (50202388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 均 静岡大学, 農学部, 教授 (10183831)
平田 昌彦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20156673)
杉山 修一 弘前大学, 農学部, 助教授 (00154500)
堀 良通 茨城大学, 理学部, 助教授 (30125801)
塩見 正衛 茨城大学, 理学部, 教授 (80250976)
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Keywords | 持続的生産力 / 放牧草地 / 草地生態系 / 種多様性 / 空間的不均一性 / 植物の繁殖特性 |
Research Abstract |
本研究の1998年における研究結果の概要は以下のとおりである: 1. 牛群によるバヒアグラス草地の被食速度の空間的不均一性は、バイト重の不均一性によるところが大きく、草量が多い時には、訪問回数の不均一性によるところも大きかった。牛群の訪問回数の空間的不均一性には、草量、糞塊の個数や面積に加え、牛個体の空間的記憶が関与するものと推察された。バヒアグラス草地は、分げつの出現速度と枯死速度が小さいものの、各分げつが長生きすることで、高い永続性を発現することが示された。 2. 半自然草地における、植物地上部のバイオマス、バイオマスの生長量、家畜による採食量の空間的不均一性、植物群集の種構成と種の多様性の空間的不均一性、および深さ5cmまでの土壌中窒素量の空間的不均一性を調査した。この目的は、これらの草地パラメータのノイズ的な空間的変動の大きさを推定することである。牛の重放牧と軽放牧を行っている草地で、ノイズの大きさに差があることが明らかになった。これらのパラメータは、シミュレーションモデルにおいて草地を再現する目的で利用される。 3. シロクローバの栄養繁殖と種子繁殖の相互関係を解析した。栄養繁殖の性質を異にする2品種,大葉型と小葉型を使い,実験条件下で種子繁殖特性上の違いを特定した。大葉型は小葉型より頭花や小花の器官サイズが大きく,頭花を広く分散して着生させた。さらに結実率や種子サイズも大きい傾向にあることが確認された。
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