Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 隆 広島大学, 歯学部, 助教授 (10154783)
高柴 正悟 岡山大学, 歯学部, 助教授 (50226768)
川瀬 俊夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30084784)
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70113066)
大塚 吉兵衛 日本大学, 歯学部, 教授 (50059995)
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Research Abstract |
歯周組織再生に関与する種々のGrowth factorの有効性と作用機序を明確にする目的で実験を行い,次の成果が得られた。 1.rhBMPを用いた歯周組織再生法の検討 (1)ネコにコラーゲン膜(FCM1)とポリ乳酸ゼラチン複合体(PGS)を担体として移植し,rhBMP-2の適切な濃度を調べた結果,FCM1は1mgあたり1μg,PGSは3mm3あたり1μgが適切で,前臼歯にIII級根分岐部病変を作り移植した結果,12週で両群とも歯槽骨,セメント質,歯根膜の再生を認めた。 (2)ビ-グル犬6頭の下顎臼歯に歯周炎を起こして根半分まで骨を吸収し分岐部病変を作り,rhBMP-2とPGSを移植した結果,PGSのみ移植に比べ骨,セメント質,歯根膜の再生が認められた。 (3)サル2頭の下顎大臼歯にIII度の根分岐部病変をつくり,PGSを担体としてrhBMP-2を移植した結果,12週後に骨とセメント質の再生が認められた。 以上の3つの実験によりrhBMP-2はPGSを担体として根分岐部病変の再生療法に有効であることが示唆された。 (4)ヒト歯根膜細胞(HPLC)と骨芽細胞(HBC)を培養し,rhBMP-2,rhIGF-1,rhPDGF-BBの影響を調べた結果,IGF-1とPDGF-BBは両者を増殖させ,BMP-2は増殖させず分化を促進し相乗効果はなかった。 2.PDGF,IGF,TGF・β,b-FGFによる歯周組織再建法の検討 (1)培養ヒト歯根膜細胞にlGF-1とPDGFを単独あるいは併用した結果,併用により増殖と分化が促進した。 (2)培養HPLCにIGF-1,PDGF,b-FGFを添加した結果,いずれも増殖傾向を示し,とくにb-FGF1μg/ml以上の濃度でIGF-1(10μg/ml)と併用すると促進された。 (3)ラットのフラップ手術部にTGF-β1を滴下した結果,歯肉線維芽細胞の増殖,血管増生を導くことが示された。 (4)FCFを培養ラット骨髄細胞に添加すると骨芽細胞への分化が早まることが示された。 3.象牙質や歯周組織に含まれる新しいGrowth factorの検討 (1)牛の象牙質抽出の非コラーゲン蛋白は,骨原性細胞や骨芽細胞の増殖分化を抑制することが示された。 (2)ラット歯槽骨の再生途中組織中に発現しているmRNAを回収し,一本鎖cDNAを作成できた。 (3)イヌの人工的骨欠損部にGTR法を行い,ビスワォスフォネートを投与すると骨再生を促進することが示された。
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