2000 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧予防のためのライフスタイルのあり方に関する疫学共同研究-国際共同研究INTERMAPの一環として
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09357003
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 重幸 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60253994)
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
橋本 勉 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70118454)
喜多 義邦 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80161462)
岡山 明 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60169159)
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Keywords | Blood Pressure / Lipids / Cholesterol / Salt / Hypertension / Urine Collection / Diet / Nutrient |
Research Abstract |
INTERMAPは血圧と関連する栄養素・食物を明らかにし、高血圧予防に役立てる目的で、高度に標準化して実施した国際共同研究である。本年度は、ハワイ日系人の暫定的な成績とわが国の札幌、富山、滋賀、和歌山の4集団、男女40-59歳1411名の、身体所見と血液検査成績が比較可能となった。国際共同研究の最初の詳細な共同研究結果は、来る第5回国際循環器病学会(2001年5月)で発表される。 血圧水準については、国内4集団およびハワイの日系人において大差はなかった。しかし、降圧薬服用者を含め、血圧値が高い者とともに高血圧とすると、その頻度はハワイで有意に高かった。肥満度BMI(kg/m^2)は、ハワイが男性28と日本23より有意に高かった。女性もハワイが26で高かった。血清総コレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、フィブリノーゲ、HgA1c値はハワイが高く、逆にHDLコレステロール値は低かった。Lp(a)には日米差はなかった。24時間蓄尿2回のNa排泄量は有意に日本に高く、国内でも群間差があった。ハワイでは食塩換算で10g未満であったが、わが国では12gであった。カリウムの排泄量は大差なかったが、Naがわが国で多く、Na/K比は有意に高かった。 食生活では、日本の集団内においても多くの栄養素摂取量に相違が観察された。脂肪の摂取割合は、兼業農家の多い滋賀の集団で低かった。日本4集団の多価不飽和/飽和脂肪酸の比の平均は1.0であった。魚介類の摂取量は男性では1日平均100gを超え、富山が最も多かった。飲酒量は日本に多く、男性の喫煙率はハワイの5倍であった。 日本の集団はハワイの日系人に比して、循環器疾患の危険因子の状態としては、血清脂質、耐糖能、フィブリノーゲン、肥満度において優れ、喫煙率、食塩摂取量において劣っていた。このような差異が日本の虚血性心疾患の低いことと関連していると考えられる。
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