1997 Fiscal Year Annual Research Report
1997年イラン東北部の地震とその被害に関する調査研究
Project/Area Number |
09400004
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
伯野 元彦 東洋大学, 工学部, 教授 (10016321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00219205)
鏡味 洋史 北海道大学, 工学部, 教授 (70016476)
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00183385)
池田 安隆 東京大学, 理学部, 助教授 (70134442)
今泉 俊文 山梨大学, 教育学部, 教授 (50117694)
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Keywords | 直下地震 / 震害 / 強震動 |
Research Abstract |
1997年5月10日午後12時27分(現地時間)、イラン東北部のホラサン州ガエン群でMs=7.1の地震が起こり、死者1,448人,負傷者2,850人にのぼり、倒壊家屋12,000,半壊家屋20,000と言われる。文部省は時を移さず、この地震の突発災害調査研究を認め、9人の大学関係研究者と2人のイラン人留学生を派遣した。調査団は6月17日から25日まで、被害地の調査を、グループに分かれて57部落について行った。その結果、以下の事柄が明らかになった。 (1)起震断層はNNW-SSEのほぼ南北方向に延長約110kmが地表に現れた。右横ずれ(1.0〜2.1m)が優勢であった。北部の約30kmは、1979年の地震での断層と重なっていた。 (2)建物被害は建築材料によって、その程度は異なっていたが、アドベという日干しレンガ(天日で干しただけのレンガ)の建物が最も弱く、次いで焼きレンガ,鉄筋コンクリートの補強したレンガ造が最も強かった。焼きレンガの場合には目地の材料が土の場合には弱いが、モルタルを用いた場合には相当良好な挙動を示していた。北部被害地では1979年の地震の経験を生かして、地盤のより固い場所に移るとか、鉄筋コンクリートフレームで補強するとかしており、その場合には被害は受けていたが、改善の跡が見られた。日本では兵庫県南部地震で、六甲山麓の沖積地に震度7というひどい被害が見られたが、同様な現象が当地でも見られた。 (3)ライフライン:当地は乾燥地なので「Ghanat」という地下水道があるが、140中95が被害を受けた。 以上のように、種々の被害特性が明らかとなった。
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