1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 清孝 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40140355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 俊典 華頂短期大学, 教授 (10123431)
蜂屋 邦夫 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00012980)
池田 知久 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50036555)
下田 正弘 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (50272448)
丘山 新 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90185489)
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Keywords | 偽経目録 / 八陽経 / 延命地蔵経 / 地蔵信仰 / 八大明王 / 三階教 / 道 / 道器論 |
Research Abstract |
研究実施計画に従い、順調に研究を遂行した。具体的には,おおむね以下の通りである。 (1)研究代表者,研究分担者とも必要に応じて互いに連絡を取りあいながら,それぞれの課題に応じて資料・文献の調査・収集に努め,できる限りそれらの解読と分析を進めた。例えば,代表者の木村は,疑偽仏典の全体像を捉えるために多くの目録類の調査を慎重に遂行するとともに,別記の通り偽経の『八陽経』や『延命地蔵経』に関する論文をまとめ,また現在,中国・明代に現れたと思われる『化珠保命真経』の解明を進めつつある。分担者の田中は,主に敦煌出土の儀軌類の研究を行い,一定の成果を挙げた。池田は,『老子』『荘子』を中心に,東アジア世界の思想の特質とその変容について考察を深めた。落合は,名古屋・七寺に所蔵される『大周刊定衆経目録』などに関して,七寺古逸経典研究会のメンバーらとともに,その分析・翻刻を行った。西本は,中国・唐代に偽経視されるに至った三階教文献を精力的に調査・検討することに努め,その成果をまとめた。 (2)予定通り,2回(平成9年9月と平成10年3月)研究会を開催し,課題研究に関する発表・討論,および意見交換を行った。これによって,相互に本研究の意義についての認識を高め,疑偽仏典に関する知識を深めるとともに,有機的な関連のもとに各自の課題の研究が進捗しつつあることを確認した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 木村清孝: "偽経『八陽経』の成立と変容" 東方学会創立五十周年記念・東方学論集. 473-486 (1997)
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[Publications] 木村清孝: "『延命地蔵経』の成立-その思想背景をめぐって-" 北畠典生博士古希記念論集. (予定). (1998)
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[Publications] 石上和敬: "『悲華経』から『釈迦如来五百大願経』へ" 北畠典生博士古希記念論集. (予定). (1998)
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[Publications] 池田智久: "『荘子』-「道」的哲学及其演変" 中華民国国立編訳館, 418 (1998)
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[Publications] 西本照真: "三階教の研究" 春秋社, 728 (1998)