1998 Fiscal Year Annual Research Report
出稼ぎ・過疎・高齢化に関する学際的地域研究-生活史法から接近する,近代化のスローモーションとしての津軽地方
Project/Area Number |
09410029
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
作道 信介 弘前大学, 人文学部, 助教授 (50187077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽我 享 弘前大学, 人文学部, 助手 (00263062)
山下 祐介 弘前大学, 人文学部, 助教授 (90253369)
田中 重好 弘前大学, 人文学部, 教授 (50155131)
安 祐子 (杉山 祐子) 弘前大学, 人文学部, 助教授 (30196779)
北村 光二 弘前大学, 人文学部, 教授 (20161490)
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Keywords | 出稼ぎ / 過疎 / 高齢化 / 近代化 / 津軽地方 / 社会心理学 / 社会学 / 文化人類学 |
Research Abstract |
以下3分野について研究活動を行い、その成果を研究会にて検討した。 1. 「出稼ぎと生業形態」について 弘前市に隣接する平賀町の3集落(大坊、広船、葛川)を対象に、老人会を中心にして、出稼ぎの聞き取り調査を行った。それによって、平野部大坊(稲作)、台地部広船(りんご)、開拓地葛川(高原野菜)ごとに、出稼ぎのパターンの違いを概括的にみることができた。とくに、りんご農家の出稼ぎは、りんごの栽培のサイクルに規定されており、そのために通年出稼ぎ化を免れている。そこには、りんご栽培への誇りもあり、平地稲作中心地のように出稼ぎを中心とした人口流失を防いでいる。 2. 「過疎と地域活性化」について (1) 過疎地域を、地方中核都市との関連性に注目して、広域的視点から統計的・事例的に分析を行った。(1)東北6県の過疎の現況比較を行った。今年度は、とくに南東北の個別事例調査(福島県檜枝岐村、山形県西川町他)を重ねた。また過疎地域と都市との関係について統計的分析を引き続き行った。(2)青森県弘前市を中心とする津軽広域市町村圏(17市町村)について、「広域行政・地域連携」の観点から統計データを集計整理し、広域の中の過疎を浮き彫りにしようと試みた。 (2) 青森県相馬村・稲垣村を事例に、前年度に引き続き、過疎地域活性化施策と住民の対応を調査した。とくに今年度は過疎活性化施策に関わる住民リーダー調査を実施し、二村の活性化施策プロセスを浮き彫りにした。 3. 「地域活性化と自然保護」について 秋田県・藤里町で現地調査を行ない、行政と住民から山林利用の実態、地域活性化政策、観光客の受け入れ状況および自然環境保護政策と実態、地域の環境教育への取り組みなどに関して聞き取り、資料を収集した。 4. 第2回「出稼ぎ・過疎・高齢化」研究会の開催 「出稼ぎ・過疎・高齢化」研究会(でっこの会)をひらき、外部から研究者(大川健嗣山形大学教授、石川雅典秋田桂城大学助教授)を招き、一年間の活動を検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田中重好: "過疎活性化に果たす地方都市の役割" 第一住宅建設協会, 132 (1998)
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[Publications] 田中重好: "弘前市総合開発計画策定のための前提条件等に関する研究報告書(部分)" 弘前市, 58 (1998)
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[Publications] 作道信介: "人間科学研究法ハンドブック,観察法 : 記述としての「観察」から" ナカニシヤ出版, 255 (1998)