1999 Fiscal Year Annual Research Report
都市思想における社会学的文脈の発見と「現在性」の定式化に向けて
Project/Area Number |
09410040
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 直樹 東北大学, 文学部, 教授 (40240345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 和孝 関東学院大学, 文学部, 教授 (90198672)
堀田 泉 近畿大学, 教養部, 教授 (10126899)
山本 賢治 神戸山手大学, 人文学部, 教授 (30140974)
大澤 善信 金沢大学, 教育学部, 助教授 (10213688)
高橋 英博 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (80206838)
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Keywords | 都市の思想 / 都市経営 / 社会学的文脈 / 現在性 / 国家と市民社会 / 自治 / 社会史的文脈 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、概ね以下の2点において整理することができる。 (1)まず前年度までの調査研究成果を以下の研究項目(括弧内は分担者)に即して集約した。I.都市経営論の系譜と特徴(吉原)、II.近代日本の都市経営思想(堀田、岩永、橋本、山本)、III.戦後日本の都市経営思想(堀田、増田、橋本、高橋早苗、高橋英博)、IV.地方都市と都市経営思想(高橋英博、山本、大澤)、V.近代・分権・自治と都市経営(吉原)。 (2)以上の集約の成果を研究会で報告し、メンバーの間で共有するとともに、若干の補充調査による知見を加えて、最終的に成果報告書にまとめ上げた。 近代日本および戦後日本の代表的な都市経営家について、都市観、国家観、市民社会把握、自治観、公共性論議等に焦点を据え、具体的にとられた都市経営手法に即して検討をおこなった本研究によって、日本の近現代の都市経営思想の特徴が時代の文脈に通脈して明らかにされるとともに、その到達点がつまびらかにされた。 しかし、本研究によって得られた成果はそれにとどまらない。都市経営思想が生活次元で意味する社会学的文脈を浮き彫りにするなかで、分権化の実質化が社会の再建にとっていよいよ焦眉の課題になりつつある現代において都市経営の果たす役割と課題が明らかにされたのである。 いずれにせよ、本研究によってこれまで個別分散的にとらえられてきた近現代日本の都市思想の全体像解明の嚆矢がきりひらかれた。
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