1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410047
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
佐藤 勉 淑徳大学, 社会学部, 教授 (10004037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 由紀子 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (30237549)
小林 月子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (00004094)
佐久間 政広 東北学院大学, 教養学部, 助教授 (30187075)
水上 英徳 大分県立芸術文化短期大学, コミュニケーション学科, 講師 (50280889)
永井 彰 東北大学, 文学部, 助教授 (90207960)
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Keywords | 農業生産組織 / 地域リーダー / 組織リーダー / 外部リーダー / フリー・ライダー / 平等な報酬配分 / 生活史法 / 農民層分解 |
Research Abstract |
農業生産組織のリーダーを生活史法を用いて面接調査し次の知見をえた.1,地域リーダーと組織リーダーおよび外部リーダーの連携プレイが農業生産組織の結成の必須条件である.2,業績本位に志向するリーダーの存在は地域のフラットな社会構成を前提とする.3,多数の農家の脱農への傾向が高まるなかで少数の専業志向の農家の生き残り方策として農業生産組織が形成された.4,組織リーダーの農業生産組織像が農業生産組織の構成にとって決定的である.5,組織リーダーが全面協業に志向するか,個別経営を残した借地経営に踏み切るかで農業生産組織のあり方は異なってくる.6,そうしたリーダーの戦略はそこで可能な農業についてのリーダーの見通しに依存している.7,リーダーのこの見通しにとって肝要なのは借地経営が可能かどうかについてのリーダーの判断である.8,農民層分解状況を生き抜く方途に対するリーダーの主体的決断の如何が組織のあり方にとって決定的である.9,組織リーダーのかかる決断はリーダーの生活史的体験と連関している.10,リーダーが自らの生活史的体験からいかなる生産システムを可能とするかが決定的な影響を与えている.11,組織リーダーがいかなる組織であれば規模拡大が可能であるかと判断するかが特に重要である.12,組織リーダーは自らの経営労働への報酬を求めてはならない.13,その反面でリーダーの利害関心は貫徹しており,リーダーの農家の構成が組織の構成と適合している.14,リーダーは誰よりもよく働いて,誰よりも経営に熱心であるのに,平等な報酬配分が原則となっている.15,リーダー以外の構成員はフリー・ライダー化している.16,フリー・ライダーの構成員は使命感も労働意欲も低い.17,組織リーダーの交代は至難である.18,組織リーダーの構想した組織が閉塞状況に陥っても,それを突破する新たなる組織像の内部的形成は不可能である.
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