1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410054
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大内 雅利 明治薬科大学, 薬学部, 教授 (60147915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 研一 信州大学, 人文学部, 教授 (80115378)
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Keywords | ライフコース / 農家女性 / 学歴 / 学卒後の就業 / 結婚 / 親との同別居 / 居住歴 |
Research Abstract |
本年度は特に農家女性のライフコースの類型化に焦点を当てた。茨城県八郷町においては農家女性を対象にアンケート調査、宮崎県高城町と新潟県津南町においては年齢を区分して聞き取り調査を、それぞれ実施した。ライフコースを取りあげる場合、アンケート調査と聞き取り調査は一長一短がある。ライフコースの類型化を仮説的に設定するするには、豊富な背景情報が得られる聞き取り調査がさし当たり有効であった。20〜30歳代、40〜50歳代、60〜70歳代と大まかに年齢を分けてもライフコースの変化が押さえられるからである。アンケート調査は仮説的な類型の量的分布と聞き取り調査で漏れた類型の発見に優れていた。女性のライフコースを類型化するポイントとして浮かび上がってきたのは、学卒から結婚までの短い期間である。この期間が全体のライフコースを大きく支配している。短期間ではあるが、その後の人生に影響する要因が集中するからである。中卒・高卒・短大卒・4大卒という学歴、学卒後の就業、結婚、親との同別居、以上にともなう居住歴などである。そしてこれらの要因はそれぞれが相互に関連している。たとえば、宮崎県高城町では「中卒・就農・見合い結婚・同居・県外体験なし」という世代の次に、「中卒・県外への集団就職・Uターン地元就職・職場での恋愛結婚・同居」という世代が来る。そして近年増加しているのは非農家出身の農家女性で、男性が地域の外で就業しているときに出会い、連れて来るというパターンである。新潟県津南町では男性が冬期間に近くのスキー場で働いていた時に、というケースが少なくなかった。今後は以下の課題を検討する。農家女性のライフコースについて(1)地域における量的分布、(2)少数事例の発見、(3)家族要因・時代要因との関連、(4)調査3地域間の比較と地域要因の発見、(5)男性のライフコースの類型化、(6)男女の比較と相互影響の検討、などである。
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