1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410055
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
宮島 喬 立教大学, 社会学部, 教授 (60011300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 奈々子 筑波大学, 人文学部, 講師
太田 晴雄 帝塚山大学, 教養学部, 教授 (10185275)
笠間 千浪 神奈川大学, 外国語学部, 助教授 (50267506)
伊豫谷 登士翁 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (70126267)
佐久間 孝正 東京女子大学, 文理学部, 教授 (80004117)
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Keywords | 外国人子弟 / 日本語教育 / 補習 / サポーティヴネットワーク / 難民子弟 |
Research Abstract |
平成9年度には、神奈川県川崎市を対象に外国人市民の市政参加の意識についての調査を行ったが、本年度は外国人子弟の教育のあり方に焦点を当て、調査研究を行った。一つの分野は、外国人(主に日系ブラジル人)の補習教育についてであり、神奈川県平塚市内で行われている実践に参加しつつ、観察と聞き取りを行った。その成果としては、日本語教育を子どもたちの教科の学習に結び付けることの必要、およびその困難さを明らかにした点があげられる。すなわち、学校内正規授業は、日本語教育を教科の学習に結び付ける媒介を欠いており、この点を架橋するには地域のサポーティブネットワークによるマン・ツー・マンの教育が必要であること、そのためのネットワークが求められていることが明らかにされた。教師たちの教室内での努力は、この点では限界があるため、地域のボランティアたちの対応が求められているのである。なおこの調査では、外国人の子どもたちへの数多くのインタビューの記録を蓄積できたので、その分析も続けたい。 また今一つの課題として、神奈川県大和市でインドシナ難民の子どもたちへの同じく地域の中での補習教育の調査に着手している。母国を知らないこれらの子どもたちは、日本社会の定住者となるわけであるが、文化的にはまだハンディキャップを負っているようである。これは参加観察を含む質的な調査であり、同調査は継続中であり、平成11年度に向けて実り多い成果を上げたいと考えている。
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