1998 Fiscal Year Annual Research Report
ポストモダニズム時代における総合学習カリキュラムの理論的・実践的研究
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09410068
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
浅沼 茂 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30184146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 美保 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60222212)
森茂 岳雄 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30201817)
平野 朝久 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (40128773)
三笠 乙彦 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80015445)
児島 邦宏 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70014826)
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Keywords | 新学習指導要領 / 問題解決学習 / 教科横断的 / 総合学習 / 気づき / 体験 / 興味・関心 |
Research Abstract |
今年度は、総合学習カリキュラムについての先進校がどのような実践を展開しているのか、具体的なカリキュラムの形と内容、そして子どもたちの実際の活動に関して、学校を訪問調査した。調査のデータを分類し、分析し、総合学習の類型を明確にした。その結果、総合学習には、小学校においては、新学習指導要領にあるような国際理解、環境、情報、福祉・健康というような領域テーマによる分類ではなく、問題解決のステップや質を基準とする分け方、子どもの興味・関心の自発性の程度による分け方、そして、体験的な活動のレベルというような学習のプロセスを尺度化するような基準をもって分類と分析が可能であることが、明らかになった。したがって、これまでのように教科に付け加えられるような新たな学科領域というような考え方ではなく、まさに教科横断的な尺度化が可能であることが明確になった。それによると問題解決における問題の発見は、「気づき」とかよばれているが、それは問題を自らの課題として引き受ける「発見学習」を意味しており、この発見のプロセスは、教師が学習の課題をすべて指示するのではなく、教室や学校の環境自体に大きく影響されることが明らかであり、教師は、自らの発問や課題立て方も含め、環境的な条件整備に力を注ぐ必要性が明らかになった。教師は、単に白紙を用意するのではなく、かなり構造化された教材整備と導きのステップを明瞭にモデル化することが必要である。以上のような発見を次年度の総合学習分析に生かし、総合学習の理想的なモデルを作ることを目指す。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 浅沼 茂: "個性化をめざす「グループ学習」とは" 授業研究. 481号. 11-12 (1998)
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[Publications] 浅沼 茂: "学校の特性に応じたカリキュラムの編成について" 高校教育. 31・17. 24-27 (1998)
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[Publications] 浅沼 茂: "アメリカの探求学習" 中学教育. 43・6. 59-60 (1998)
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[Publications] 浅沼 茂: "ウィリアム・F・パイナーのカリキュラム理論と日本での講演" 教育学研究年報. 17号. 10-15 (1998)
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[Publications] 浅沼 茂: "学習の一貫性・連続性の下、子どもたちに創造性、自主性、共通感覚を育む" 現代教育科学. 499号. 13-16 (1998)
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[Publications] 浅沼 茂: "「新学力観」の問題点" 比較教育学研究. 24号. 19-29 (1998)