1999 Fiscal Year Annual Research Report
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09410103
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
松木 武彦 岡山大学, 文学部, 助教授 (50238995)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新納 泉 岡山大学, 文学部, 教授 (20172611)
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| Keywords | 古墳時代 / 「雄略朝」期 / 吉備 / 国家形成 / 複合化社会 / 首長制 / 中心-辺境論 / 社会変化 |
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| Research Abstract |
5世紀後半を中心とする吉備地域の主要古墳について、一昨年度および昨年度に引き続いて墳丘・外表施設・埋葬施設・副葬品等に関する調査記録やデータを収集した。これをもとに、主として埴輪や須恵器の資料に基づいてそれぞれの築造時期と築造順序を確定し、時間的・空間的な首長墓築造パターンの抽出を行った。
5世紀後半には首長墓築造パターンに大きな変動がみられるが、この変動の中で主要な位置を占める岡山県吉備郡真備町天狗山古墳については、これまでに引き続いて墳丘測量と発掘調査を進め、墳丘の平面規格および墳丘・埋葬施設の立体的構造を把握した。同時に、天狗山古墳に近接する小古墳である天狗山西古墳の墳丘測量と発掘調査を行い、その規模・形態・構造を確認するとともに、この2古墳の築造時期に関する有力な土器資料を得た。
次に、天狗山古墳に後続する首長墓とみられる真備町二万大塚古墳の墳丘測量を行い、墳丘の上半部については精確な測量図を作成するとともに、墳丘各所の計測値をとり、墳丘の平面形・立面形に関する詳細なデータを得た。横穴式石室とみられる内部主体についても、予備的な観察・記録を実施した。
さらに、天狗山古墳・二万大塚古墳の近傍にある真備町勝負坂古墳の踏査を行い、円形の墳丘に前方部がつく可能性を見い出した。また、同じく近傍にあって方墳といわれる真備町竜王塚古墳の踏査と略側を行い、円墳である可能性を新たに認識した。
以上の作業を通じて、5世紀後半の吉備地域でもっとも顕著に首長墓築造が隆盛する一地域である小田川下流域の古墳について、その築造パターンを解明するための詳細なデータを集成しえた。さらに、これらのデータを整理して吉備の他地域や日本列島の各地域との比較を試みることによって、「『雄略朝』期」の吉備地域の社会的・政治的具体像の詳細を解明する有効な手がかりを得た。
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