1997 Fiscal Year Annual Research Report
石水博物館(三重県津市)所蔵の番付及び絵本番付のデータベース作成
Project/Area Number |
09410112
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
岡本 勝 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90024059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 徳子 聖徳学園岐阜教育大学, 教育学部, 教授 (00135279)
安田 文吉 南山大学, 文学部, 教授 (80121474)
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Keywords | 石水博物館 / 絵番付 / 絵尽し / データベース / 書誌的調査 / 歌舞伎研究 / 上方中・小芝居 / 版木の流用 |
Research Abstract |
本年度は三年間の研究の初年度であるので、ます、対象文献の全体像を確認する予備調査から行った。結果、石水博物館蔵の絵番付は、主に上方(京・大坂)の絵尽しで約1200点、江戸の絵番付約150点と判明した。目録作成のためのデータベース化について、研究協力者と打ち合わせて、データベースソフト(桐6)を利用することとした。資料の書誌的調査を行って、パソコンに入力。資料を直接手に取って詳査することは、資料の保存上問題が多いので、資料を写真撮影。モノクロにて全冊、表紙のみカラーにて撮影。これを使って、研究室にて詳査を行い、データ入力。但し、この詳査は次年度まで継続。また、目録に画像データを加えるため、紙焼写真及びネガフィルムから画像の取り込みを行った。これも次年度まで継続する。 本年の調査で判明したところでは、石水博物館蔵の絵番付は、保存状態が非常によく、この種の資料としては非常の良質である。また、調査済みの諸機関所蔵の絵番付資料を、直接及び目録などによって調査、本資料と比較したところ、独自資料がかなり含まれていることが判明した。上方の歌舞伎研究は江戸に比べて進んでおらず、資料調査さえ未だ不十分な状況であるので、本資料は歌舞伎研究上、貴重な資料であることを確認した。特に、天明期から文政期にかけての上方中・小芝居の絵尽しに独自資料が多い。ほとんど実態が明らかになっていない分野だけに、本資料はその解明の有力な手掛かりになると思う。また、近い年代の資料が纏まっているので、これらを比較することから、再販の問題、版木の流用など上方の劇書出版に関わる興味深い問題も浮び上がってくる。2・3年次に、できるだけ分析を行いたい。
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