1998 Fiscal Year Annual Research Report
学校における子どもの人権侵害の司法的救済モデルおよび学校自治的解決モデルの研究
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09420010
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
市川 須美子 獨協大学, 法学部, 教授 (30117692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世取山 洋介 新潟大学, 教育学部, 助教授 (90262419)
山口 和孝 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90182427)
林 量俶 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70134327)
若穂井 透 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 教授 (30277660)
牧 柾名 駿河大大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50021879)
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Keywords | いじめ / いじめ裁判 / いじめ自殺 / 子ども / 人権侵害 / ヤマギシ会 |
Research Abstract |
今年度は、1年目に引き続き、いじめ裁判の研究調査を現在係属中の裁判に焦点を置いて、実地調査を含めて集中的に行った。同時に、裁判的解決の限界を明らかにするための当事者調査なども行った。子どもの人権侵害の教育法社会学的研究として、ヤマギシ会の私立学校設置認可問題について引き続き調査研究に取り組んだ。 いじめ裁判については、鹿児島知覧町立知覧中学校、福岡城島町立城島中学校、新潟上越市立春日中学校の各いじめ自殺事件について、当事者、担当弁護士、教育委員会などを対象に実地調査を行った。富山市立奥田中学校いじめ自殺事件については、担当弁護士との事例研究会を行った。これらの事例研究から、いじめ訴訟の情報訴訟化の特徴が明らかになり、1984年から1985年にかけての中野富士見中事件、いわきいじめ自殺事件当時とは異なった新しい争点である被害者父母に対する学校のいじめ調査報告義務が、共通的な重要争点として浮かびあがってきている。そこで、2回の合宿研究会で、この新論点を中心に研究討議を深め、さらに、3月に、係属中の上記4事件および神奈川津久井町立中野中いじめ自殺事件の各原告側弁護団と科研費研究メンバーとのワークショップを開いた。本年度中にまとめる予定であったいじめについての研究成果の単行本は、このワークショップの成果を加えて、刊行する予定である。 ヤマギシ会の私立学校設置認可問題については、行政事務当局および津市議会関係者、ならびにヤマギシ会の子どもが通学する学校の関係者へのインタビューを含めた実地調査を継続的に行い、問題点を解明しつつある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 牧 柾名: "子どもの人権と学校 上・下" 牧 柾名 著作集・エムティ出版. 7・8巻. (1998)
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[Publications] 牧 柾名: "子どもの権利への視座 上・下" 牧 柾名 著作集・エムティ出版. 9・10巻. (1998)
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[Publications] 山口和孝: 子どもの教育と宗教・青木書店. (1998)
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[Publications] 若穂井 透: "少年法改正に関する法制審答申と今後の課題" 自由と正義. 3月号. 88-97 (1999)
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[Publications] 若穂井 透: "体罰自殺事故" 現代裁判法体系・9巻 「学校事故」.