1998 Fiscal Year Annual Research Report
遠赤外線分光観測による銀河中心領域での星間雲の状態と星生成活動の研究
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09440093
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
中川 貴雄 文部省宇宙科学研究所, 次世代探査機研究センター, 助教授 (20202210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 英宏 文部省宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (30301724)
川田 光伸 名古屋大学, 大学院理学研究科, 講師 (50280558)
広本 宣久 郵政省通信総合研究所, 光技術部, 室長
芝井 広 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (70154234)
村上 浩 文部省宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 教授 (40135299)
松本 敏雄 文部省宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (60022696)
奥田 治之 文部省宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (50025293)
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Keywords | 銀河中心 / 遠赤外線分光 / 遠赤外〔CII〕線 / 星生成 / 星間輻射場 |
Research Abstract |
我々の今までの気球観測により、銀河中心領域では、[CII」スペクトル線が異常に弱くなっていることが見いだされた。我々は、これを「銀河中心領域での星間輻射場がソフトである」ためであるという仮説を立てた。この仮説に従えば、銀河中心領域での高温の分子がスの存在など、多くの謎が自然に説明される。その一方で、「銀河中心領域での星生成率が現在は低い」という、重要な結論も導かれる。 この仮説の検証のための一つの手段として、インド・タタ研究所との協力で、タタ研究所の1m気球搭載望遠鏡に、我々が開発してきたファブリ・ペロー分光器を組み合わせることによって、銀河中心領域の星間ガスを、今までよりも、高い波長、空間分解能で、複数のスペクトル線を用いて観測し、銀河中心領域の星間ガスの物理状態と星形成活動とを明らかにすることを計画している。今年度は、そのための機器開発を行い、準備も終了した。しかしながら、上空風が気球飛翔に適した状態にならず、今年度には観測実験を行うことができなかった。来年度十一月に次回の気球実験を行う予定である。 上記の仮説の検証のもう一つの手段として、ヨーロッパの赤外線衛星ISOに分光観測も開始した。この観測では、銀河中心領域全体を観測することはできないが、遠赤外線領域全体の連続した分光が可能であり、領域は広いが、限られたスペクトル線しか観測できない気球観測とは相補的な関係にある。予備的な解析では、気球の結果を支持する結果が得られている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakagawa,T.et al.: "Large-Scale Survey Observations of the FIR 〔CII〕 Line" ASP Conf.Ser.132. 41-46 (1998)
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[Publications] Mochizuki,K.Nakagawa,T.& Onaka,T.: "FIR 〔CII〕 Line Properties of Low-Metal Galuxies" ASP Conf.Ser.132. 386-38 (1998)
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[Publications] Yui,Y.et al: "Three Gas Components in the P Uph Dark Cloud" Astronomy & Space Science. (印刷中).