2000 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロレンズアレイ高速2次元分光診断による太陽彩層・コロナ活動現象の研究
Project/Area Number |
09440094
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
末松 芳法 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (50171111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 浩 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80000850)
今井 英樹 国立天文台, 乗鞍コロナ観測所, 助教授 (10012874)
一本 潔 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助教授 (70193456)
清水 敏文 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (60311180)
花岡 庸一郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (10238040)
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Keywords | 3次元同時分光観測 / マイクロレンズアレイ / 太陽フレア / 線輪郭解析 / Cloud model |
Research Abstract |
マイクロレンズアレイを用いた高速2次元同時スペクトル取得装置を開発し、太陽表面で起こる時間変化の早い現象の観測的研究を行っている。特に太陽フレア現象を捉えるため、彩層輝線である水素のバルマーHα線を主体に観測を行っている。最初のフレアのエネルギー解放は上層のコロナ大気で起こり、結果として起こる加速電子・陽子、熱伝導が彩層を加熱する。これらのエネルギー流速は磁力線に沿って起こるため、X線観測及びHα線の観測からコロナ中のエネルギー解放領域を特定できる。本観測装置はHα線の輪郭を2次元的に取得できるため、線輪郭解析によりエネルギー解放の時刻だけでなく、彩層加熱の機構を調べることができる。本年度は、モニター光学系の開発を行い、観測効率を上げることができた。望遠鏡からの光をまずビームスプリッターで2つの光束に分け、1つは2次元分光装置へ、他をフィルター装置に導き観測領域の画像を同時にモニターできるよう工夫したものである。データ解析においては、Hα線輪郭の任意の波長での単色像を狭帯域フィルター観測と遜色なく再現できることが示せた。更に、Hα線輪郭解析手法であるCloudモデルによる視線速度場、光学的厚さ、乱流速度の導出ソフトを開発し、これらの物理量の2次元分布を得た。フレア発生領域の速度場を解析が可能となった。一連のデータ解析により、静穏領域で短命な増光現象が見つかった。本研究の特色は以下のようにまとめることができる。(1)本装置は既存の望遠鏡・分光器と組み合わせて容易にインストールすることができ、いろいろな太陽観測所の長所を生かした観測が可能であることを示した。但し、視野が狭いため追尾装置との併用が望ましい。(2)2次元同時分光データより、フィルター観測の長所である単色像を再現でき且つ分光器観測の長所である線輪郭解析が可能であることを示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Suematsu,Y.: "Development of New Solar Optical Observation Systems at Mitaka. NAOJ"Proceedings of the Nobeyama Symposium、NRO Report. 479. 443-446 (2000)
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[Publications] Raju,K. et al.: "The Physical Conditions in a Polar Coronal Hole and Nearby Regions from Norikura and SOHO Observations"Astrophysical Journal. 543. 1044-1050 (2000)
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[Publications] Li,H. et al.: "Magnetic Field Evolution Leading to Solar Flares II. Cases with High Magnetic Shear and Flare-Relalted Shear Change"Publ.Astron.Soc.Japan. 52. 483-497 (2000)
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[Publications] Ishigaki,T. et al.: "Tridimensional Spectrophotometric Study of the Extended Emission-Line Regions of the Infrared-Luminous Merger Markarian 266"Publ.Astron.Soc.Japan. 52. 185-207 (2000)
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[Publications] Hanaoka,Y.: "Radio and X-Ray Observations of Double Loop Flares"Advances in Space Research. 26. 453-456 (2000)
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[Publications] Hanaoka,Y. et al.: "Magnetic Field Structure of the CME Source Region"Recent Insights into the Physics of the Sun and Heliosphere. IAU Symp.203. 137 (2000)
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[Publications] Kobayashi,K. et al.: "On the Detection of Solar Coronal High-Velocity Fields Using the XUV Doppler Telescope"Publ.Astron.Soc.Japan. 52. L1165-L1174 (2000)