1997 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線直線偏光測定による奇奇核の斜軸回転モードの研究
Project/Area Number |
09440097
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小松原 哲郎 筑波大学, 物理学系, 講師 (10195852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 幸男 筑波大学, 物理学系, 講師 (50189510)
静間 俊行 筑波大学, 物理学系, 助手 (50282299)
古野 興平 筑波大学, 物理学系, 教授 (40015772)
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Keywords | ガンマ線 / 直線偏光 / 奇奇核 / 高スピン / ゲルマニウム検出器 |
Research Abstract |
ガンマ線の直線偏光を測定するための測定装置を製作した。この検出器は、内部に入射したガンマ線のコンプトン散乱する確率が直線偏光の向きに依存することを利用する。円筒形のゲルマニウム単結晶の表面に分割された電極を設け、ガンマ線が相互作用した位置を検出する。まず、検出器として最適な電極の分割の仕方を調べるために、クライン・仁科の式を用いたモンテカルロ法による計算プログラムを作成した。電極の形状、入射ガンマ線のエネルギー、コリメーターの形状などを変え、ガンマ線の直線偏光の検出感度、および検出効率を求めた。電極の分割は、これらの計算結果でもっとも性能が良かった5分割型とし、5セグメント・ゲルマニウム検出器を製作した。5セグメント・ゲルマニウム検出器は、直径58mm、長さ65mmのゲルマニウム単結晶を用い、この入射面に35mmの中央電極直径を設置した。この中央電極で散乱されたガンマ線の散乱方向を検出する為に、円筒側面の電極を4分割にした。この検出器の製作は特別仕様注文にて業者に委託し現在製作中である。 奇数個の陽子と奇数個の中性子から構成される奇奇核の高スピン核構造は、最外殻の陽子と中性子の準粒子運動の結合により記述され、合成された指標量子数で分類される。セシウムアイソトープやランタンアイソトープの回転バンド構造や指標逆転について、中性子依存性や陽子依存性を調べた。通常、原子核構造の中性子依存性は比較的滑らかに変化するが、セシウムアイソトープの場合、スピンの値は不連続に変化する。特に、N=57で大きく変化する様子が判った。今後、実験的により系統的に奇奇核の原子核構造の中性子依存性を調べて行く。
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