1997 Fiscal Year Annual Research Report
エッチングおよび界面制御効果による高結晶性一軸配向多結晶Si膜の低温作製
Project/Area Number |
09450124
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長谷川 誠一 金沢大学, 工学部, 教授 (10019755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪熊 孝夫 金沢大学, 工学部, 講師 (50221784)
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Keywords | 多結晶シリコン / 界面制御 / 結晶構造 / 基板の表面処理 / 一軸配向 / 薄膜成長中のエッチング効果 / 結合構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エッチングおよび薄膜と基板との界面構造の制御による、高結晶性多結晶シリコン膜の低温作製法を開発する事にある。今年度においては、プラズマ化学気相成長(PECVD)法を使用し、原料ガスのモノシラン(SiH_4)および水素(H_2)混合ガス中にエッチング効果の強いフッ素を含む四フッ化珪素(SiF_4)を添加して、100〜300℃の堆積温度(T_d)の下で、コ-ニング・ガラス基板上に堆積した多結晶Si膜の結晶性を調べた。このような多結晶Si膜の結晶について、(1)SiF_4およびH_2ガスの流量比およびT_dを変化させて結晶性の変化を調べた。また、(2)このガラス基板について窒素および水素プラズマを使用して基板表面をガス圧力を変化させてプラズマ処理した後、多結晶Si膜を堆積してその結晶性の変化を調べている。前記(1)の結果については。論文発表に受理されている。 (1)SiF_4の添加により、低温での結晶化が容易となる。一方、水素添加量を増加すると結晶化率は増加するが、結晶粒サイズは減少した。さらに、高水素添加条件の下では、多結晶Siはナノ・サイズの結晶粒から構成され、結果として、強い量子サイズ効果に基づくフオトルミネセンス発光を見出した。 (2)基板表面の窒素・水素プラズマ処理を行なわない場合には、300℃の堆積温度下で結晶化は観測されず(アモルファスSi膜が形成される)、基板表面のプラズマ処理により結晶性は大きく改善された。さらに、この結晶性の変化は、プラズマ処理時のガス圧力によっても変化し、1 Torr付近の圧力の下で、結晶性の最も良い多結晶Si膜を堆積できている。
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