1999 Fiscal Year Annual Research Report
海洋空間利用を目的とした大型浮体構造物における流体・弾性体連成挙動の予測と制御
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09450205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 徹哉 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 賢治 豊田工業高等専門学校, 教授 (80043206)
山口 征邦 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40283395)
大森 博司 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (90092387)
山田 耕司 豊田工業高等専門学校, 講師 (60273281)
萩原 伸幸 大同工業大学, 講師 (30240807)
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Keywords | 浮体式海洋構造物 / 波 / 流れ / 流体力 / 運動応答 / 弾性応答 / 積分方程式法 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の最終年度に当たり,計測実験の補足と研究成果の取り纏めを行った。特に,大型浮体構造物の場合は,浮体中央部の応答は小さく端部だけが大きく揺れる特性を示すことが前年度までの研究で明らかにされており,これを抑制するために,浮体端部に鉛直反射板または水平没水平板を付設する手法に着目し,それによる応答抑制効果を確認する実験を行った。その結果得られた知見は以下のように要約される。 1)波上側端部に端板を付設することにより,浮体の変位応答,歪応答ともに端板のない場合に比べて著しく低減される。これは入射波が端板に作用することによって浮体端部の回転が抑制される結果と考えられる。 2)端板の付設は特に短波長域での応答の低減に効果的である。 3)水平,鉛直いずれの端板もサイズの大きい方が,また同じサイズであれば水平端板よりも鉛直端板の方が短波長域での応答の抑制効果は大きい。 4)波上側の端板に近い位置では,端板を付設することによって歪応答が増加する。これは入射波が端板に作用する際に生じる端部回転モーメントが原因であると考えられる。 5)既住の研究ではサイズの大きな端板が用いられており,その付設が係留力の過大な増加を引き起こす可能性が指摘されていたが,本研究では喫水深に比べて小さなサイズの端板を用いても十分な応答抑制効果が得られることが確認された。
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[Publications] 金徳印ほか: "TLP係留索の疲労損傷への2次波浪外力の寄与について"日本建築学会構造系論文集. 第521号. 177-184 (1999)
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[Publications] 森部康司ほか: "大型浮遊式平板状構造物の波浪応答に関する計測実験(その1:理論値との比較について)"日本建築学会大会学術講演梗概集(中国). A-2. 349-350 (1999)
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[Publications] 羅鎔浩ほか: "大型浮遊式平板状構造物の波浪応答に関する計測実験(その2:端板の付設による応答制御効果について)"日本建築学会大会学術講演梗概集(中国). A-2. 351-352 (1999)
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[Publications] 金徳印ほか: "TLP係留索の疲労損傷への2次波浪外力の寄与について-レインフロー法による時間領域解析-"日本建築学会東海支部研究報告集. 第38号. 293-296 (2000)
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[Publications] 羅鎔浩ほか: "端板の付設による大型浮体構造物の波浪応答応答低減効果に関する計測実験"日本建築学会東海支部研究報告集. 第38号. 297-300 (2000)