3次元衝撃吸収機構を有する制震構造システムの開発

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09450209
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 井上 豊 大阪大学, 工学部, 教授 (90027227)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 向井 洋一 大阪大学, 工学部, 助手 (70252616) ; 古川 忠稔 大阪大学, 工学部, 助手 (70273597) ; 馬場 研介 大阪大学, 工学部, 助教授 (00029349) ; 橘 英三郎 大阪大学, 工学部, 教授 (80029165)
• Keywords: 制震構造 / 免震構造 / 構造同定 / 地盤・構造物連成系 / アクティブブレース / アクティブ・エアバッグ / 上下動免震機構 / 離散型最適制御法

Research Abstract

本研究では、地震動の衝撃的な入力を考慮した建築構造物系の動的応答制御設計の手法として、地震動の水平動、ならびに上下動成分に対する衝撃吸収機構を具備した「3次元衝撃吸収機構を有する制震構造システム」の開発を目的としており、今年度は、衝撃吸収機構を免震・制震構造システムに導入するための理論的・数値的検討、ならびシステムの有効性を実証的に検討するための制震実験用加振装置の制作を行った。
1.制震・免震構造の現況調査と数値実験にもとづき各種制震(振)システムの特性・性能についての定量的検証を行った上で、これらの性能評価を行った。
(1)免震構造
(2)受動型制震(振)構造
(3)能動型制震(振)構造
2.衝撃吸収機構を免震・制震構造に導入した具体的なシステム構成について検討を行った。
(1)上下衝撃吸収・水平免震機構を有する免震支承システム
(2)アクティブ・エアバッグシステム
3.衝撃吸収機構を実現するための制御アルゴリズムの構築と検証を行った。
(1)過大入力を考慮した非線形制御アルゴリズムの構築とその妥当性の理論的・数値的検証
-離散型最適制御法
(2)地盤特性や構造パラメータの非線形特性等の未知パラメータを有するシステムへの適応性を有する制御アルゴリズムの構築とその妥当性の理論的・数値的検証
-モデル規範形適応制御法
4.構造特性値、ならびに制御系の同定手法に関する検討を行った。
(1)RD法による減衰パラメータ同定に関する多質点系・非線形系への拡張の検討
(2)適応型拡張カルマンフィルタ法において適宜重みづけ手法を導入した即応・収束安定アルゴリズムの検討
(3)誤差予測法を適用した非線形系の構造特性値のロバスト同定手法の検討
5.実験的検証を行うための装置の設計・制作を行った。
(1)水平動2方向入力が可能な加振装置の制作
(2)上下動入力装置の仕様検討と設計
(3)衝撃吸収機構を有する制御デバイスの仕様検討と設計

Research Products

• [Publications] 井上豊, 古川忠稔 他: "拡張カルマンフィルタを用いた構造物のシステム同定" 第44回構造工学シンポジウム論文集. 44B(発表予定). (1998)
• [Publications] 井上豊, 橘英三郎 他: "Active Control of Tall Building Vibrations Caused by Artificial Impulsive Load Acting on Intermediate Story" Proc.of the 2nd Asia-Pacific Conf.on Shock & Impact Loads on Structures. 1. 625-632 (1997)
• [Publications] 井上豊, 向井洋一 他: "アクティブブレース構造における制御力の有効分散化に関する検討-離散型最適制御法を用いた検証-" 第43回構造工学シンポジウム論文集. 43B. 151-164 (1997)
• [Publications] 橘英三郎 向井洋一 他: "Effects of Using Hysteretic Dampers for Asymmetric Frame Structures on its Earthquakes Responses" Proc.of the SPIE Symposium on Smart Material,Structures,and MEMS. 3241. 280-288 (1997)
• [Publications] 橘英三郎, 中山昌夫 他: "A Numerical Study of Dynamic Behaviour of Framed Buildings by Using Axially Soft Base-Isolator" Proc.of the 2nd Asia-Pacific Conf.on Shock & Impact Loads on Structures. 1. 411-418 (1997)
• [Publications] 橘英三郎, 井川望 他: "2棟連結による2方向制振システム" 第43回構造工学シンポジウム論文集. 43B. 185-190 (1997)
• [Publications] 馬場研介: "モデル規範形適応制御を支えるリアプノフ方程式について" 第47回応用力学連合講演会講演予稿集. 47. 305-306 (1998)
• [Publications] 馬場研介, 井上豊 他: "建物・地盤連成系の地震応答に対するモデル規範形適応制御について" 第47回応用力学連合講演会講演予稿集. 47. 307-308 (1998)
• [Publications] 古川忠稔, 井上豊 他: "予測誤差法による構造物の動的非線形特性の推定-バイリニア多層系せん断モデルの同定-" 第44回構造工学シンポジウム論文集. 44B(発表予定). (1998)
• [Publications] 古川忠稔, 井上豊 他: "RD法を用いた多自由度構造物の減衰評価に関する研究" 第47回応用力学連合講演会講演予稿集. 47. 27-28 (1998)
• [Publications] 向井洋一, 橘英三郎 他: "偏心を有する架構建築の地震応答に対する履歴ダンパーの適用効果" 第44回構造工学シンポジウム論文集. 44B(発表予定). (1998)
• [Publications] 向井洋一, 橘英三郎 他: "アクティブ・エアバッグ式制震システムの開発に関する研究-実験装置の概要と予備実験-" 第43回構造工学シンポジウム論文集. 43B. 177-184 (1997)