1998 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性有機化合物に起因するシックハウス症候群の実態と防止対策に関する研究
Project/Area Number |
09450220
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小峯 裕己 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20114481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 薫 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (40265468)
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Keywords | 揮発性有機化合物(VOCs) / 直接抽出法 / 間接抽出法 / ホルムアルデヒド(HCHO) / チャンバー実験 / 放散促進条件 |
Research Abstract |
1. 室内VOCsの濃度の評価法として、(a)直接抽出法(ヘッドスペースバイアル瓶に試験体および溶剤を入れて振とうし、293Kで抽出を行う)、(b)間接抽出法(試験体から発生した成分を吸着剤で捕集し、吸着成分を溶剤で抽出する)2通りの手法の開発を行った。抽出液はフィルタでろ過し、マイクロシリンジを用いて所定量採取しGC-MSで定量分析を行った。抽出溶剤として3種(ベンゼン:Bz、テトラヒドロフラン:THF、二硫化炭素:CS2)を用いた。その結果、試験体を373Kで3時間加熱して得られたVOCsの濃度は直接抽出法とほぼ等しいこと、直接抽出法で溶剤としてテトラヒドロフランを用いた場合に抽出効果の高いことを明らかにした。 2. 住宅内に設置する設備機器、搬入可能な機器で具現できる環境下で、建材から発生するHCHO・VOCsの放出を促進する室内環境条件を明らかにするため、化学物質を吸着しないステンレスで曝露チャンバーを製作し、基本的な環境条件としてチャンバー内の温度および湿度を、系統的に変化させることができるような装置を試作した。この装置を稼動させることにより、チャンバー内の温度・湿度を数段階に安定させることができることを確認し、(a)30℃25%RH(b)30℃60%RH、(c)20℃25%RHの場合についてHCHO濃度を測定したところ、(a)および(b)はほぼ同値、これに対して(c)は約1/4の値であった。この結果から、建材からのHCHO発生量は湿度よりも温度に大きく影響を受けることがわかった。今後は、チャンバー内の温度・湿度や表面気流を変化させた実験を行い、化学物質の放散を促進する環境条件を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)