2000 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性有機化合物に起因するシックハウス症候群の実態と防止対策に関する研究
Project/Area Number |
09450220
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
小峯 裕己 千葉工業大学, 工学部, 教授 (20114481)
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Keywords | ホルムアルデヒド(HCHO) / 揮発性有機化合物(VOCs) / チャンバー / 高断熱・高気密住宅 / 換気システム / フィルター / ワンパス試験 / 除去性能 |
Research Abstract |
1.HCHO・VOCsの建材からの放出を促進する環境条件の解明 住宅に設置する設備機器、搬入可能な機器で具現できる環境の下で、建材から発生するHCHO・VOCsの放出を促進する室内環境条件について、曝露チャンバーを用いた実験を行った。実験は、平成10年度に作成したステンレス製曝露チャンバーに改良を加え、放出を促進する環境条件としてチャンバー内空気の温度および相対湿度、チャンバー内外圧力差、建材表面気流速度を想定し、それらの条件を系統的に変化させて行った。その結果、温度および相対湿度が高いほど、建材からの放出は増加する傾向が得られた。 入居前に実施可能なSHS防止対策の一つとして、換気と同時に室内を高温・湿度にして、建材から発生するHCHO・VOCsの放出を促進し、濃度を低減することが提案できる。 2.室内HCHO・VOCs濃度を低減する換気システムの開発 メーカーの協力により提供されたHCHO分解・除去可能なフィルターについて、昨年度までの実住宅における測定結果で得られた濃度レベルで実験を行い、HCHO除去性能を評価した。性能実験は、フィルターの上流側に一定濃度のHCHOを一定風量で供給し、フィルター通過後の下流側における濃度を測定する、一般に「ワンパス試験」と呼ばれる方法により行った。その結果、本実験に供されたフィルターは約50%の除去性能を維持できるがわかり、実住宅の換気システムに組み込んだ場合にも除去効果を発揮する可能性が大きいといえる。また、同じメーカーから、VOCsのうちトルエンおよびキシレンを除去できるフィルターの提供を受け、現在その除去性能について同様な実験を行っている。 これら化学物質除去が可能なフィルターを用いることにより、高断熱・高気密独立住宅に設置されているセントラル式機械換気を対象とした、HCHO・VOCs吸着システムが提案できよう。
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Research Products
(1 results)