1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450313
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堀 善夫 千葉大学, 工学部, 教授 (20114324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 永宏 千葉大学, 工学部, 講師 (30238729)
古賀 修 千葉大学, 工学部, 助教授 (60110293)
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Keywords | 二酸化炭素 / 電気化学還元 / 白金 / 銅 / 電極 / アセトニトリル / 電極触媒 |
Research Abstract |
本研究では、CO_2の電気化学還元をプローブとして、金属の電極触媒活性の起源が、電極金属の電子構造と表面の原子配列によってどのように決定されるかを、水素電極反応と対比しつつ解明することを目的としている。この反応では、水が反応物質として関与しているので、本年の研究では水溶液電解質での測定のみならず、水の濃度を規制して非水電解質であるアセトニトリル溶液中での測定を行った。電解質として再結晶により精製したテトラエチルアンモニウムを用いた。アセトニトリルは、再蒸留した。 水溶液中でCO_2の還元を行うと、Pt電極は活性を示さない。CO_2の還元は進行せず、水素の発生のみが起こる。これはPt電極表面にCO_2の還元で生じたCOが強く吸着して反応に対する触媒毒として働くためである。そのためCO_2の還元は阻止され、競争反応である水素発生のみが進行する。 ところが、アセトニトリル溶液中でPt電極上でのCO_2の還元を調べたところ、水の濃度が低いときはシュウ酸の生成が主反応となり、水の濃度の上昇と共にシュウ酸が減少し、ギ酸の生成が主となることがわかった。さらに水の濃度が増すと、CO_2の還元はま起らなくなり、水素の発生のみが進行するようになった。アセトニトリル溶液中ではCO_2の濃度が約0.3Mと、水溶液の場合に比べて10倍に達する。したがって水濃度を1%以下に保つと、電解質溶液中にCO_2の濃度がH_2Oより高くなり、その結果水素の発生が低下し、CO_2の還元が進行することが分かる。反応の電極電位は、顕著に負である。また反応生成物はCOの生成が少なく、シュウ酸またはギ酸の生成が主となる。これはPtまたはHg電極の特性と類似している。Pt電極表面にはCOが強く吸着しているが、そのためCO_2還元の中間生成物であるCO_2アニオンラジカルが電極面に吸着せず、遊離した状態で存在するため、COの生成が進行しないためと結論される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 古賀,松尾,山崎,堀: "Infrared Spectroscopic Observation of Intermediate Species on an Ni and an Fe Electrode in the Electrochemical Reduction of CO2 and CO to Hydrocarbons." Bull.Chem.Soc.Jpn.71(2). 315-320 (1998)
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[Publications] 古賀,松尾,星,堀: "Charge Displacement Adsorption of Carbon Monoxide on[110]Zone Copper Single Crystal Electrodes in Relation with PZC." Electrochim.Acta. 44(6). 903-907 (1998)
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[Publications] 堀,古賀,渡辺,松尾: "FTIR Measurements of Charge Displacement Adsorption of CO on Poly- and Single Crystal(100)of Cu Electrodes" Electrochim.Acta. 44(8). 1389-1395 (1998)
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[Publications] 星,川谷,工藤,堀: "Significant Enhancement of the Electrochemical Reduction of CO_2 at the Kink Sites on Pt(S)-[n(110)x(100)]and Pt(S)-[n(100)x(110)]." J.Electroanal.Chem.(印刷中).