1998 Fiscal Year Annual Research Report
光ダイナミックス機能を持つ有機・無機複合結晶の設計と合成
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09450323
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高木 克彦 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60023264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志知 哲也 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90293654)
菊田 浩一 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00214742)
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Keywords | イオン性フルギド色素 / インターカレーション / カチオン交換粘土 / ホトクロミズム / 粘土・複合材料 / z軸光異方性 / 超分子構造 / コンフォメーション測定 |
Research Abstract |
1 緒言 層間に有機イオン種としてフルギド型のホトクロミック材料をインターカレートしたモンモリロナイト粘土分散液を、シリカ基板にスピンコートした粘土・フルギド薄膜を用いて、そのホトクロミック特性を検討した。特に、粘土層間では、ゲスト分子の配向が起こるので、その偏光照射によるホトクロミズムの光異方性に注目し、その超分子構造、コンフォメーションについて明らかにした。 2 実験方法 フルギド型のホトクロミック材料として1.2-[ジ3-(2-メチル-5-ビリジニウム)チオフェニル]パーフルオロシクロヘキセンを合成し、その水溶液とカチオン交換粘土(クニビアF:クニミネ工業製、カチオン交換容量119meq/100g)の水分散液(5meq/1)、一夜室温で撹拌したところ、ほぼ定量的に吸着された。得られた粘土複合化ホトクロミック物質は、スピンコートによりシリカ基板上に薄膜化し、ホトクロミズム性を検討し、偏光紫外可視分光法とX線回折法(理学電機、形式RINT2000)により解析した。 3 結果と考察 定常光照射により、本粘土複合化薄膜は着色(青色、λmax567nm)と消色(淡黄色、λmax300nm)を繰り返す。薄膜は透明性がよく、光学的に優れた性質を持つ。イオン交換容量に対して、10%の色素と90%のカチオン界面活性剤をインターカレートした場合にもっとも繰り返し安定性が向上し、6時間以上の繰り返しでも色素の分解は見られなかった。吸着量が足りないときには、2点吸着が起こり、チオフェン環は平行に揃った不動体となって、可逆性が低下するが、1点吸着ではその弊害がないと考えられる。次に、偏光分光で、二色性比の入射角度依存性とX線回折からフルギド分子は、10%吸着でz軸方向に38.5゚傾いたコンフォメーションを取り、5%、1%と吸着量が減少するに従って、33゚、29.5゚と倒れて行く。この傾向は、X線解析による眉間距離の測定の結果ともよく一致した。 今後、残された本研究計画年度内で、本分散液をゾルゲルシロキサンマトリックス中に分散薄膜化し、その光異方性が安定に実現された段階で、偏光子によるホトクロミズムを検討し、偏光スイッチング機能を追求したい。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] R.Sasai: "MOlecular Alignment and Photodimerization of 4' -Chloro-4-stilbenecarboxylic Acid in Hydrotalcite Clays:Bilayer Formation in the Interlayers" Langmuir. Vol.15. 413-418 (1999)
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[Publications] T.Shichi: "Photopolymerization of 4-Vinylbenzoate and m-and p-Phenylenediacrylates in Hydrotalcite Interlayers" Supramolecular Sci.Vol.5. 303-308 (1998)
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[Publications] D.A.Myrzakozha: "Photocyclodimerization of Cinnamic Acid in a langmuir-Blodget Film Investigated by Infrared Spectroscopy" Mol.Cryst.Liq.Cryst.Vol.232. 221-225 (1998)
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[Publications] T.Kanoh: "Mono-and Bilayer Equilibria of Stearate Self-Assembly Formed in Hydrotalcite Interllayers by Changing the Intercalation Temperature" Chem.Lett.117-118 (1999)
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[Publications] K.Takagi: "Intercalation of Higher Aliphatic Carboxylates in Hydrotalcite Clay. Selective Photochemical Hydrogen Abstraction by Benzophenonecarboxylate" Chem.Lett.(in press). (1999)
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[Publications] T.Shichi: "Benzophenone Sesitized Cyclodimerization of Cinnamic Acid in Hydrotalcite Interlayers. A Study of the Sesitization Behaviors" Clay Science. (in press). (1999)
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[Publications] 菊田浩一: "光化学協会誌 Vol.29" 光反応を利用したセラミック薄膜の合成, 36-37 (1998)