1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450347
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
英 謙二 信州大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60126696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 睦 信州大学, 繊維学部, 助手 (60273075)
白井 汪芳 信州大学, 繊維学部, 教授 (80021153)
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Keywords | ゲル / ゲル化剤 / オルガノゲル / 分子集合体 / 超分子 / 水素結合 |
Research Abstract |
広範囲の溶媒・溶剤をゲル化できる双頭型アミノ酸誘導体のオイルゲル化剤を開発した。このゲル化剤はベンゼン環や長鎖メチレンセグメントを有さないため微生物分解性の「環境に優しいゲル化剤」である。 N-ベンジロキシカルボニル-L-アラニン誘導体とその関連化合物によるゲル化を詳細に調べフルペーパーとして報告した。 低分子化合物によるゲル化は水素結合を原動力とする場合がほとんどであるが、疎水結合のみで物理ゲルを形成するL-ロイシン誘導体を見つけ国際誌に発表した。 2-アミノ-2-フェニルエタノールを原料して新規なオイルゲル化剤を開発した。このゲル化剤は光学顕微鏡でも観察できる巨大ならせん状の会合体を形成することがわかった。この結果はTetrahedron Lettersに報告した。 また、N-ベンジロキシカルボニル-L-イソロイシンのオクタデシルアミド誘導体をゲル化剤として使いゲル電解質を作製し、そのイオン伝導度を測定した。この研究成果はChemistry of Materialsに発表した。 低分子オイルゲル化剤の形成するゲルの強度を向上させる方法として、汎用高分子を添加する手法をみつけ速報誌に報告した。ポリスチレンなどの高分子を10%添加するだけで、ゲル強度は格段に向上した。ゲルの機能材料への応用に汎用高分子の添加が有用であることを明らかとした。 数10種類のアミノ酸の環状二量体化合物を合成しそのゲル化能について調べた。中性アミノ酸と酸性アミノ酸からなる環状二量体は極めて優れたゲル化剤であることを明らかとした。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K. Hanabusa: "Excellent gelators for organic fluids: Simple bolaform amides derived from amino acids"Advanced Materials. 9(14). 1095-1097 (1997)
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[Publications] K. Hanabusa: "Organogels formed by N-benzyloxycarbonyl-L-alanine 4-hexadecanoyl-2-nitrophenyl ester and related compound"Journal of Colloid and Interface Science. 195(1). 86-93 (1997)
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[Publications] K. Hanabusa: "Organogel from L-leucine-containing surfactant in nonpolar solvents"Colloid and Pohymer Science. 276. 252-256 (1998)
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[Publications] 英 謙二: "オイルゲル化剤の開発:油や溶剤を固めることのできる化合物"表面. 36巻. 291-303 (1998)
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[Publications] 英 謙二: "低分子化剤の合成とその物理ゲル"高分子論文集. 55(10). 585-594 (1998)
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[Publications] K. Hanabusa: "Easy preparation and useful character of organogel electrolytes based on low molecular weight gelator"Chemistry of Materials. 11(3). 649-655 (1999)
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[Publications] 英 謙二: "ゲルハンドブック"長田義仁・梶原莞爾(エヌ・ティー・エス). 8 (1997)
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[Publications] 英 謙二: "現代界面コロイド化学の基礎"日本化学会(丸善). 5 (1997)