1998 Fiscal Year Annual Research Report
臨界表面張力を利用した廃プラスチックの相互分離に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09450382
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松岡 功 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田路 和幸 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10175474)
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Keywords | 廃プラスチック / 臨界表面張力 / 浮沈分離 / 浮選 |
Research Abstract |
本研究はリサイクル進展のための廃プラスチックの相互分離の新しい方法を提案した。比重の近いプラスチックの分離にはこれまで浮選法が開発されてきたが,疎水性で水溶液との界面が物理化学的に不活性なプラステックに対しては適用できる湿潤剤や界面活性剤の種類が限られているという問題があった。これに対して本研究では固体の表面エネルギーを表す臨界表面張力の差に注目した。すなわち固体がその臨界表面張力以下の表面張力を有する液体に濡れることを利用し,濡れ性に基づく浮沈分離において分離媒体となる液体の表面張力を調整することにより固体の浮沈を自由に調整しようというものである。特に比重が1以上のプラスチックの水溶液での浮沈分離を考え,各種プラスチックの臨界表面張力と微粉化したプラスチックの気液界面での挙動に関する基礎的な研究を行った。実験は以下のように行った。(1)各プラスチックの臨界表面張力の正確な測定。(2)異なる表面張力を有する液体中での各種プラスチックの分離実験。 ポリビニルアルコール(PVA)とポリエチレンテレフタレシ一ト(PET)を対象として検討を行った結果以下のことが分かった (1)各種界面活性剤の濃度を増加することにより表面張力は低下し,それとともにPVAとPETに対する接触角は低下する。(2)しかし,PVAとPETの臨界表面張力はいずれの界面活性剤によっても浮選分離が可能な程度の差は認められない。(3)このことは表面張力の変化と同時にプラスチック表面への界面活性剤の吸着により濡れ性が変化するためと推察される。
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