1998 Fiscal Year Annual Research Report
新たな森林景観管理システム構築のための視覚心理学的研究
Project/Area Number |
09460068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 洋一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50012042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 良平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40272439)
斎藤 馨 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70215531)
下村 彰男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20187488)
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Keywords | 森林景観 / 景観管理 / 地域らしさ / 森林らしさ / 多様性 / 面的広がり |
Research Abstract |
本研究では地域の自然や人々の営み、歴史、文化が支える森林景観の特徴に関する研究を行った。つまり、地域ならではの森林景観、地域らしさを反映した森林景観が問題にされ、その景観的特徴と地域の営みや文化との関係の解明がテーマとなる。具体的には、視知覚像としての森林景観の特徴把握のための分析・整理軸を明確にすることと、その森林景観と地域の自然や歴史、そして地域の人々の営みとの関わりを明らかにすることを目的とした。 そこで、特徴的な森林景観を有している吉野(奈良)、北山(京都)、日田(大分)、西川(埼玉)、諸塚(宮崎)、赤沢(長野)、三富(埼玉)、の農林業を中心とする地域を取り上げ、現地調査を実施して、各地域の森林景観の写真およびビデオを収集すると同時に、地域の自治体や森林組合、篤農林家へのヒアリングを行い、地域の森林景観の変遷と森林景観を支えている地域の人々の営みについて情報収集を行った。 その結果、森林景観の特徴を把握するための分析・整理軸としては、樹種および樹齢、樹形など、要素の多様性・均一性、樹種混交のパターン、面的な広がりの大きさ、境界の明確性が抽出された。また、森林景観の特徴を左右する項目としては樹木密度を中心とする森林の施業体系、傾斜や斜面の大きさ、起伏の細やかさなどの地形、そして地域の主たる産業構造などが深く関わっていることが整理された。 最後に、こうした収集した各地の森林景観とそれを支える地域の営みに関する情報を、地域別にデータベース化を図るためのシステムの構築を行った。
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[Publications] 熊谷洋一: "ランドスケープ情報基盤構築のための景観モニタリング手法" ランドスケープ研究. 61 (5). 597-600 (1998)
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[Publications] 熊谷洋一: "中国恵州西湖の景観形成と杭州西湖景観が及ぼした影響" ランドスケープ研究. 61 (5). 637-642 (1998)
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[Publications] 熊谷洋一: "嵐山国有林における昭和期以降の風致施業の展開" 日本林学会論文集. 109. 211-214 (1998)
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[Publications] 下村彰男: "写真コンクールに見る農村景観の季節性認識" ランドスケープ研究. 61 (5). 631-636 (1998)
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[Publications] 斎藤 馨: "映像情報のデジタル化によるランドスケープ情報の共有に関する研究" ランドスケープ研究. 61 (5). 601-604 (1998)
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[Publications] 小野良平: "原風景としての郊外" グリーン・エージ. 292. 23-26 (1998)
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[Publications] 熊谷洋一: "ランドスケープ大系第3巻・ランドスケープデザイン" 技報堂出版, 248 (1998)
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[Publications] 下村彰男: "ランドスケープ大系第2巻・ランドスケープの計画" 技報堂出版, 275 (1998)