1997 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ/中性塩によるセルロースの膨潤・溶解機構の解明と新規溶剤系の開発
Project/Area Number |
09460073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
空閑 重則 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60012051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 昌久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40270897)
磯貝 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40191879)
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Keywords | セルロース / チオシアン酸カルシウム / ロダンカルシウム |
Research Abstract |
各種のセルロースをチオシアン酸カルシウムの濃厚水溶液(以下ロダン溶液)に溶解したゲルについて、示差走査熱量計により溶解-ゲル化の挙動を調べた。その結果、融点は70〜90°C、ゲル化点は10〜30°Cの範囲にあり、セルロースの分子量と濃度によって変動することが分かった。 固体セルロース-ロダン溶液の系を加熱すると初回昇温時にのみ60〜100°Cに顕著な吸熱または発熱、またはその両方のピークが現われ、これがセルロースの溶解過程に対応すると考えられた。その温度領域とピークの形状はセルロース試料によって大きく異なるが、その挙動とセルロース試料の特性(結晶形、結晶化度、分子量)の間の関係には系統性がなく、変動の理由は不明である。 ラミ-繊維について、上記で求めた溶解温度領域である70〜90°Cにおいて結晶構造の変化過程を経時的に追跡した結果、セルロースI結晶の崩壊とともにセルロース-ロダン塩の錯体が形成され、これまで知られていなかった2.5nmという繊維周期を持つ錯体を発見した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Shibazaki et al.: "Mercerization & acid hydrolysis of bacterial cellulose" Cellulose. 4(2). 75-87 (1997)
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[Publications] Y.Nishiyama et al.: "Cellulose Microcrystal film of high uniaxial orientation" Macromolecules. 30(20). 6395-6397 (1997)
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[Publications] A.Ishikawa et al.: "Effects of cellulose treatment on Tensile propeties of ramie fiber" Mokuzai Gakkaishi. 43(4). 337-341 (1997)