1997 Fiscal Year Annual Research Report
位置特異的置換セルロース誘導体の化学合成-セルロース化学の基礎的問題の解決-
Project/Area Number |
09460076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (10293911)
湊 和也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10026601)
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Keywords | 開環重合 / 化学合成 / 位置特異的置換セルロース誘導体 / メチルセルロース / カルボキシメチルセルロース |
Research Abstract |
位置特異的置換セルロース誘導体の化学合成を研究計画に沿って検討した。1)位置特異的カルボキシメチル化セルロース誘導体の合成:ジクロロメタン/50%NaOH中、相間移動触媒n-Bu_4NIの存在下BrCH_2COOCH_3を2位に遊離の水酸基をもつセルロース誘導体と反応させたところ、2-O-カルボキシメチルセルロース誘導体が得られた。2)位置特異的メチル化セルロース誘導体の合成:これまでに得られているセルロース誘導体の位置特異的な保護基の脱離とメチル化により2-O-methyl celluloseを調製した。また、3-O-benzyl-6-O-methyl D-glucopyranose 1,2,4-orthopivalateを合成し、そのカチオン開環重合により3-O-benzyl-6-O-methyl-2-O-pivaloyl-β-D-glucopyranan(6-O-methyl cellulose)を調製した。その数平均重合度は45であることは本科学合成の応用:(a)ガラクトースからα-D-galactofuranose 1,2,5-orthopivalateが合成され、開環重合により(1→5)-β-D-ガラクトフラナンが得られた。その結果、オルトエステル開環重合の有効性が確認された。(b)D-キシロースから2種の1,4-無水キシロース誘導体が合成され、開環重合により(1→5)-β-D-キシロフラナンが得られた。また、3種のα-D-xylopyranose 1,2,4-orthopivalateを合成し開環重合させたものの立体規則性多糖は得られなかった。グルコース誘導体の開環重合ではセルロースが得られたことから、C6炭素が重合において重要な役割を果たしていることが判明した。
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[Publications] Shigetomo Tsujihata,and Fumaiaki Nakatsubo: "A Novel Synthetic Method for α-D-galactofuranose 1,2,5-orthopivalate" Carbohydrate Research. (accepted).