1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本農業における公企業経営の成立条件とその限界の解明
Project/Area Number |
09460101
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
辻 雅雄 九州大学, 農学部, 教授 (90284554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 雅之 茨城大学, 農学部, 助教授 (40204383)
辻 一成 九州大学, 農学部, 助手 (00253518)
堀田 和彦 九州大学, 農学部, 助手 (00192740)
岩元 泉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10193773)
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Keywords | 公企業経営 / 私益性 / 公益性 / 公的費用負担 / 農地管理公社 / 公企業経営の私益性と公益性の比較 |
Research Abstract |
本年度はつぎの諸点を明らかにした。 1) 公企業経営の経営メカニズム-私益性と公益性(補助金)の関係- 公企業経営は独立採算制を原則とし、かつ私益性と公益性の二側面を追求する。私益性は利潤追求の側面であり、公益性は不特定多数の人々に公益的サービスを提供する側面である。このため公企業経営は公益性の側面を私益性の側面で可能な限りカバーし、経営全体として収支均衡を図る経営メカニズムが機能している。 調査事例によれば、その多くが企業収益(私益性)と公的費用負担としての補助金(公益性)によって収支均衡が図られており、しかも公的費用負担が年々増加する傾向にあることが判った。 2) 農業における公企業経営の典型例である農地管理型公社の経営内容を私益性と公益性の関係によって見ると、「委託清算金型公社」と「作業受託型公社」の二類型に分けられる。 そして、そこでの私益性と公益性の関係は下記の方法で把握することが一つの方法であることが判った。すなわち「委託清算金型公社」では、10a当たり支払地代と当該地域の標準小作料水準の比較であり、「作業受託型公社」では、10a当たり作業料金と当該地域の当該作業の生産費との比較である。
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