1997 Fiscal Year Annual Research Report
農業環境政策の形成原理と形成条件に関する総合的研究
Project/Area Number |
09460102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横川 洋 九州大学, 農学部, 教授 (30007786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩元 泉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (10193773)
胡 柏 九州大学, 農学部, 助教授 (80248624)
甲斐 諭 九州大学, 農学部, 助教授 (70038313)
武藤 軍一郎 九州大学, 農学部, 教授 (20038326)
辻 雅男 九州大学, 農学部, 教授 (90284554)
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Keywords | 農業環境政策の形成原理 / 汚染者負担原則 / 共同負担原則 / 秩序正しい農業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、諸外国の農業環境政策の形成原理と形成条件の解明と、それに踏まえたわが国の農業環境政策の形成原理と形成条件の解明である。総合的研究としての本研究は、3つの研究グループから構成されている。つまり、農業環境政策の空間的基礎条件の解明を分担する計画論的アプローチ・グループ、農業環境政策の経営論的成立条件と社会経済的成立条件の解明を分担する経営論的アプローチ・グループ、農業環境政策の形成原理である「汚染者負担原則」(=「PPP」)と「共同負担原則」の適用の境界の事例の解明に集中する政策論的アプローチ・グループである。これらのグループ研究を統合する集約点が、農業環境政策の形成という政策論的問題意識である。このような総合的研究により研究目的への到達をめざしている。 第1の計画論的アプローチ・グループでは、環境保全のための土地分級方法確立への接近方法、阿蘇での草原維持・肉用繁殖牛生産維持のための支援方策、農業化学物質投入の構造分析などの研究が進んだ。第2の経営論的アプローチでは、阿蘇・久住の入会草地利用の肉牛生産と農村の活性化、畜産環境問題と地域協定、環境保全型畜産経営の展開条件、環境保全型地域農業形成の方向などの研究が進められた。第3の政策論的アプローチ・グループではイギリスの農業環境政策、アメリカの農業環境政策、ドイツの農業環境政策の解明とイギリス、アメリカ、ドイツの農業環境政策の相互比較がなされた。 今年度明らかになった点は、「汚染者負担原則」と「共同負担原則」という農業環境政策の二つの形成原理の境界基準は「秩序正しい農業」の概念であり、このことはEU(イギリス、ドイツ)とアメリカに共通しているという点である。
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Research Products
(2 results)