1998 Fiscal Year Annual Research Report
イヌの血行動態解析による心・肝・腎臓の機能異常の非侵襲的診断法の開発
Project/Area Number |
09460142
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤永 徹 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (50181376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 正裕 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (80260397)
廉沢 剛 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 講師 (70214418)
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Keywords | 経食道超音波プロープ / 血行動態 / 腎動脈 / 心拍出量 / 超音波ドプラ法 / パルスドプラ法 / 非侵襲的測定法 / 門脈 |
Research Abstract |
本研究の目的は,超音波ドプラ法による心臓・肝臓・腎臓の主要臓器の血行動態とそれら臓器の病態との関連を明らかにし,超音波ドプラ法によるこれら主要臓器の機能異常の非侵襲的診断法を確立することである。本年度の研究実績の概要は下記の通りである。 心臓においては,心血行動態が腎血流に及ぼす影響を超音波ドプラ法により検討した。循環血液量減少およびその回復期の腎血行動態の観察により,超音波ドプラ法は全身循環動態異常に基因する腎前性の腎灌流障害をリアルタイムに評価することが可能であると考えられた。 肝臓においては,ニトロソジメチルアミンによる肝硬変モデル犬を用い,超音波検査法の有用性を評価した。超音波検査法では,イヌの肝硬変に特異的なエコー輝度の増強を伴う粗い不均一なエコーパターンが血清中の肝特異酵素の変化と同時に認められ,イヌの肝硬変の診断に有用であることが分かった。 腎臓においては,超音波ドプラ法を用いた腎内血行動態の解析による腎機能診断の基礎的知見を得るため,意識下および麻酔下の正常犬における腎内血行動態の超音波ドプラ法による正常値を算出し,合わせて両者を比較した。その結果,血流パターンの変化はここの指標だけでは評価できず,心の収縮期最高流速・拡張期最低流速・平均流速,腎動脈本管の最高・最低流速,腎葉間動脈の最高・最低流速など,すべての指標を総合的に評価し,腎疾患の診断に応用する必要性が示唆された。
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