1997 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟部肉腫の転移増殖に及ぼす各種増殖因子の影響の分子病理学的解析
Project/Area Number |
09470052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
恒吉 正澄 九州大学, 医学部, 教授 (20091259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 健志 九州大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (00019671)
八反田 洋一 北九州市立医療センター, 部長(研究職)
福田 敏郎 九州がんセンター, 部長(研究職)
河内 茂人 九州がんセンター, 研究員
田宮 貞史 九州大学, 医学部, 助手 (60284486)
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Keywords | 骨軟部肉腫 / 増殖因子 / 分子生物学 |
Research Abstract |
ヒトの肉腫の手術材料からのDNAおよびmRNAの抽出を行った。培養細胞,新鮮凍結材料,さらに,病理組織との対応のため,ホルマリン固定・パラフィン包埋ブロックの,組織が確認された部分を選択的に用い,培養細胞,新鮮凍結材料と平行して実験を行った。 培養細胞,新鮮凍結材料が得られた症例については,従来からの手法通りに核酸の抽出が可能であった。パラフィン包埋ブロックからの核酸の抽出は,DNAに関してはほぼ確立し,比較的安定した。しかし,RNAに関しては,可能ではあるが不安定であり,さらに効率のよいプロトコールを調整中である。培養細胞や新鮮凍結材料からのサンプルと比べて,パラフィン包埋材料のサンプルは明らかに増幅の効率が悪く,均一なPCR産物を得ることが困難な症例があった。パラフィン包埋標本からのサンプルに対してある程度効率のよいPCRを行える条件として,PCR産物の大きさとの関係が明らかとなった。また,培養細胞から抽出したDNAで調整したプライマー,プロトコールを用いても,パラフィン包埋標本からのサンプルに対しては必ずしも最適なPCRの条件とはならないことがわかった。これらは,実際にPCR用プライマーを設計し,PCRの条件を決定する際に有用な情報となった。 Sequence Detection Systemを用いた定量的PCRについては,予備実験段階である。neuroblastomaの培養細胞から抽出した核酸を用いて,differential PCRによるN-myc遺伝子の増幅の検出を行い,Sequence Detection Systemとの比較の材料とした。結果がサンプルの質に左右されるため,より信頼性のある標準値の取り方の調整を進めている。
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