Research Abstract |
第14回川崎病全国調査(1995年,1996年の患者を対象)で報告された川崎病患者のうち,1996年1月から12月までの初診患者を観察の対象とした.今年度はこれらの患者のリストの整備を行い、123施設2,202人を追跡対象者として選定した.これら2,202名については全国調査の結果より,全国調査で報告された全ての川崎病患者と比較して,偏りのないことを確認した.これらの施設に協力要請を行ったところ,現在までに92施設から協力する旨の連絡を得た.調査項目は川崎病罹患時の情報を全国調査より整備して入手し,今回新たに罹患から1年後の情報を入手すべく,現在調査を進めている.罹患時の情報は性,罹患時年齢,診断の確からしさ(確実例,容疑例,等),検査所見(血小板数,血清アルブミン値),ガンマグロブリンの使用状況,1か月目で判断した心後遺症の有無(冠動脈瘤,冠動脈拡大,冠動脈狭窄,弁膜病変)などである.新たに入手する情報として,発病1年(±3月)後の状況で,川崎病で観察中か否か,観察中でない場合にはその理由及び最終観察年月日,心エコー所見として冠動脈の拡大・瘤の有無,その他の心血管系後遺症の有無(ある場合には詳細な内容),冠動脈造影検査の有無と施行した場合の所見,心後遺症に対する服薬の有無,である.次年度の予定として(1)心後遺症に関する発病1年後の状況を明らかにする,(2)1年後の予後に影響を及ぼす要因を明らかにする,という2点を目標に,情報収集が完了し次第解析に移れるように,解析項目の検討およびプログラムの検討を行った.
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