1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470120
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Research Institution | KWANSEI GAKUIN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 和雄 関西学院大学, 文学部, 教授 (90165879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森際 孝司 光華女子短期大学, 生活学科, 助教授 (10239642)
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Keywords | 阪神大震災 / 心身症状 / 青年期 / 学校検診 / 視力 / 女子 |
Research Abstract |
対象はK大学生1年生から4年生まで630名(男子279名、女子351名)を無作為抽出して、阪神大震災直後約1カ月にUPIをもとに作成した64項目からなるアンケート調査を行い、心身症状の主として自覚症状を分析したが、同様の調査を5カ月後、2年3カ月後、3年5カ月と計4回それぞれ実施して、症状の消長を追跡した。2回目では、男子108名、女子187名、計295名を、3回目では男子67名、女子208名、計275名を4回目では、男子68名、女子159名、計227名をそれぞれ対象とした。その結果、震災1カ月では肩凝り、立ちくらみ、咳嗽がある、易疲労、神経質、ねつき・寝起きが悪い、睡眠が浅い、無気力、ぼーっとする、やる気がでてこない、将来の事が心配、自信をもてない、決断力がない、根気が続かないなど多くの症状項目で、高頻度の症状出現が指摘されたが、2回目では顕著に低下したものの、3、4回では再び増加した。つまり青年期における大震災の影響は、心身症状として遷延化する可能性が示唆された。もっとも男子では、災害に対して反応は早いが、回復も早く安定化するのに対して、女子では、症状が長期的に持続する傾向が指摘された。この傾向は、全学生を対象とした学校検診データの経年的分析でも認められ、1995年と比較して94年、96年、98年では心身症状で有意差があり、とりわけ女子に症状が顕著で、視力に関しては男女ともに低下がみられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森際 孝司: "資格取得意欲の形成過程についての一考察" 光華女子短期大学紀要. 36. 149-159 (1998)
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[Publications] 渡辺 純: "過去のいじめられ体験の認識と現在の不適応感" CAMPUS HEALTH. 35. 印刷中 (1998)
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[Publications] 下村(小原)依子: "大学生の心理相談におけるネットサポートの意義(第1報)" CAMPUS HEALTH. 35. 印刷中 (1998)
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[Publications] 下村(小原)依子: "音楽の臨床応用に関する研究" 人文論究. 48・1. 25-43 (1998)
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[Publications] 西本 実苗: "PTSDと阪神大震災に関する心身保健学的考察" 人文論究. 48・3. 86-101 (1998)
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[Publications] 西本 実苗: "震災後における大学生の心身症状に関する追跡研究" 臨床教育心理学研究. 24・1. 89-108 (1998)