1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470133
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
渡辺 明治 富山医科薬科大学, 医学部・内科学3, 教授 (00033390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 泰文 富山医科薬科大学, 附属病院・内科3, 講師 (30230915)
樋口 清博 富山医科薬科大学, 附属病院・輸血部, 講師 (00135021)
渡辺 直人 富山医科薬科大学, 附属病院・放射線部, 助教授 (40210926)
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Keywords | 肝性脳症 / 肝硬変 / 肝不全 / 事象関連電位 / 脳コリン / ^1H-MRS / 脳高次機能 / 脳イメージング |
Research Abstract |
これまでの肝性脳症の研究成果を背景として、脳における機能局在という観点から、脳高次機能の解析に加えて脳機能イメージングという新たなアプローチを試み、肝性脳症の診断と治療に役立てようと考えた。そこで、肝硬変(代謝性,非代謝性)例のうちコンピュータ化した定量的神経心理学的検査法(IBM Think-pad 760C type)の5検査(8評価項目)から潜在性肝性脳症を検出し、以下の検討を行った。 肝硬変例の認知・注意機能を事象関連電位(P300とCNV)の振幅の低下や潜時の延長から検討し、^1H-MRSにより海馬、基底核、側頭葉におけるコリン、グルタミン(グルタミン酸を含む)、ミオ-イノシトール、N-アセチルアスパラギン酸(NAA)などの濃度を測定した。さらに、^<99m>Tc-ECD SPECT(PatlakプロットとLassen補正)により海馬、基底核、前頭葉皮質の脳局所血流・(m1/100g/分、rCBF)を測定した。 その結果、定量的神経機能検査の成績が60点以上のものを潜在性脳症なし、60点未満を潜在性脳症と判定すると、代謝性肝硬変15例中前者は7例、後者は8例となった。^1H-MRSによる海馬領域のコリン/NAA比は潜在性脳症例で有意に低下したが、retrospectiveに評価したグレード0とグレードIの間には有意差はみられなかった。さらにSPECTによるrCBFの低下(対照値の10%以下)は潜在性脳症例で海馬領域でのみ特異的に認められた。今後、潜在性脳症例のグレード0とクレードIとの異同、その経時的推移(非脳症≒潜在性脳症≒I≒II)の検討を続ける。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 渡辺明治: "潜在性肝性脳症-最近の動向と今後の展開" Pharma Med. 14・2. 177-190 (1966)
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[Publications] 渡辺明治: "潜在性肝性脳症の診断-コンピューター化した神経心理学的検査法" Molecular Med. 33・12. 1439-1440 (1996)
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[Publications] 渡辺明治、河相覚: "肝性脳症における二糖類代謝の研究" Pharma Med. 15・5. 159-169 (1997)
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[Publications] 渡辺明治、沖田英明: "リン脂質の栄養薬理学的作用" Pharma Med. 15・6. 147-158 (1997)
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[Publications] Wakabayashi H,Watanabe A.: "Measurement of the expiratory ammonia concentration and its clinical significance" Metabol Brain Disease. 12・2. 161-169 (1997)
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[Publications] Watanabe A: "Management of ascifes-A review" J Med. 28・1/2. 31-44 (1997)
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[Publications] 渡辺明治: "臨床肝不全学" 永井書店, 363 (1994)
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[Publications] Watanabe A, et al.: "Advances in Hepatic Encephalopathy and Metabolism in Liver Disease" CRC Press (Record H ed.), 475-479 (1997)